るーむ私記

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【感想】Death end re;Quest

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 Death end re;Questの感想です。
 クリア状況はノーマルエンド+キャラ個別エンドを全部見ていて、選択肢等でのバッドエンドは全部は見ていない状況。

 ネタバレあり
・ストーリー
 ゲーム世界と現実世界を行き来して進めていく。
 序盤からオカルティックに謎をちりばめていくので、科学とかで説明をつけない話だろうな…というのは最初から分かって後からコレジャナイ感を抱くことが少ない面は親切。
 謎が謎のまま進んでいく状況が長く続くこともあって、モヤつくのが嫌な人には向かないかもしれない。

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 ソフト起動時にもあるように、残酷描写は多め。イラストがないことを残念だと思うかどうかはその人次第。
 ただ、そこまで過度のグロでもないので特別苦手という人以外は大丈夫なんじゃないでしょうか。個人的には終盤の拷問シーンが一番つらかった。歯が抜けるのは不可逆なので…。
 オカルティックなストーリーだ、ということが序盤で提示されるのでストーリー大枠の流れとして気になるところも「そういうもの」として流すとしても、細かいところで気になったところが多い。
 和名のフルネーム表記の時に苗字と名前の間にスペースがあったりなかったり、送りがなが不自然(「話」「話し」の使い分けがおかしいなど)だったりと、テキスト上で統一されていないところがかなり気になった。
 ADVパートが多いゲームで、特にシナリオ重視という向きも感じられる作品だったので、この辺はちゃんとしてほしかった。

 ワールズオデッセイ世界の説明が序盤に長々と入るわけだけどそれも必要ある? という気持ちは否めない。
 終盤にかけてストーリーがとっ散らかりだすところもあり、エンディング後はかなり不満が残った。
 エンディングの不満についてはシナリオ面だけではないので別項で。

 あとはキャラのブレも若干気になる。
 一番気になったのはアルで、セリカと会った時にやたら嬉ションしたのがちょっと…と思った。その後は嬉ションもなくなったので何? という感じ。
 リリィの百合っぽさも変態に近くなったり同性への憧れとして容認できるレベルにまでなったりと微妙にブレていた気がする。

・キャラクター

 全体的に男性向けの萌えに寄せつつ、主人公が受ける好意が不自然にならない範囲だったので良かったかなという感じ。
 ワールズオデッセイ側としてもあくまでお助けマスコット扱いとしての可愛がりで、現実側は既知のメンバーがほとんどで作品開始以前から年単位で関係を構築した結果、として見るとおかしくもない。
 澄香リディア共に胸チラ等のサービスシーンも作りつつ、そこから妙なセクハラにまで至らなかったところは良い。
 男性キャラも造形として「姿を見せない社長」「有能イケメンだけど中身が残念系」「3枚目の脇役」と、他の男性キャラと女性キャラが恋愛的に発展しなさそうだぞ…というところが安心感があって良いのかもしれない。

 個人的に好きなキャラはクレアと凛。クレアは終盤での絶望の話が良かったのと、凛さんは声と喋り方が好き&有能で好き。だからこそ拷問シーンがつらい。

 あとモブの声が若干聞きづらいというか、演技が微妙かな? という印象。立ち絵があるメインキャラ群で違和感はなかったです。リディアは素直にウザいけどそういう演技でキャラだと分かっている。
 ルーデンス回りはもっと掘り下げが欲しかった。キャラの造形としても性格としても好ましかったので、もっと絡みたかったなあという気持ちが残る。
 ちなみにグリッジスタイルはただ脱がせただけで下品だし面白みがないのでやめた方がいいと思っています。

・グラフィック
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 まずはADVパートでの2Dの立ち絵や背景について。
 差分がすごく多いという印象は特にないけど、それでもセリフとイラストの違和感もないくらい。
 塗りが個人的にはのっぺりして見えたものの、私の好みの問題かもしれない。ルシルの腕はもっと細くても良かったんじゃないかなあ。
 デザインとしても現実は現実にいても違和感がない程度の萌え造形、その分ワールズオデッセイではゲームらしいデザインとメリハリがあって良かった。ワールズオデッセイ側のキャラの肩出し率の高さは気にしたら負け…というかある程度露出を増やした造形を考えるとああなっちゃうよね。

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 3Dもリザリアの森など光表現が綺麗で良かった。やっぱりPS4の水描画は綺麗で良いね!
 イベントシーンのある地点をフラグで表現するのもかつてプレイしたMMOを思い出させる感じが良い。
 キャラクターの造形としては大人顔のクレアがやや面長に見えるのと、ルシルの椅子が邪魔すぎて操作キャラとして使いづらいくらい。胸揺れとカメラワーク次第ではパンチラが結構ある。

 イベントスチルとたまにバッドエンドスチルがあって、イラストの量もそこそこ。
 ただ、キャラ個別エンドが立ち絵のアップで終わるのは寂しいというかやりがいがないなあというのが素直な感想。

・バトル
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 シンボルエンカウント方式で、敵の追跡はまあまあ長い。
 敵に向けて○ボタンを押すと発される光を敵に当てることで戦闘を有利に開始できるGoodEncountの範囲がもうちょっと広いと助かる。真正面から撃たないとなかなか難しい。

 あとは終盤は敵のサイズがとにかく大きくなるので、避けて通ることも出来ないのがストレス。
 完全に道を塞がれていたり、カメラに引っかかって良く分からなくなったり…というのが多かった。敵が大きいの自体はインパクトがあって好ましかったので、透過とかカメラ位置とかで調整が入るともっと良くなりそう。

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 バトルはEasyだと属性無視して殴っても勝てるレベル、Normalは属性加味すれば難しくないレベル。
 ノックバグも面白いやり方だと思う。敵によっては全然動かなくて消せなくてイラっと来るけど、それもチート介入で何とか出来るので許容範囲。
 属性的に合わないキャラを戦闘に入れちゃっていても交代したりチート使い役として置くことで無駄にならないのは良いアイデアだと思う。交代も後衛全員と出来るわけではないところで色々考えて組むことが出来て楽しいところ。

 終盤の敵はカウンターが増えるので、そこだけちょっと辛かった。 
 強敵感があってとても良かったといえばそうだけど、敵の特性や弱点・属性のチェックがもっと容易だと良かった。
 ×ボタンで敵の情報を見ることは出来るけど、×ボタン→敵に矢印を合わせて…とすると自分の位置によっては移動が増えてしまうので、上下左右ボタンで切り替えくらいの容易さがあるとチェックしやすかったと思う。

・システム
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 RPGパートとADVパートに分かれているので、まずはRPGパートから。
 シンボルセーブ型で3D移動、マップも見れて次の目的地もミニマップに表示されているので、必要なところは全部押さえている感じでありがたい。
 マップ同士の繋がりがやや分かりづらく感じたけど、私が方向音痴なのもあるのでこれは人によるかも。

 各キャラクターのバグゥを使ってマップを進んでいくことも出来るようになっているけど、そこまで面白いとも感じなかった。というか城のルシルがイライラ棒すぎて参ったというのに近い。
 ギミックが凝っていたのはリザリアの森と神殿くらいで、あとは印象に残っていない。

 世界観的に仕方ない部分はあるとはいえ、街がまったく出てこないので世界の広がりが薄く感じられたのもある。いわゆるRPGにありがちなマップをただ歩くだけで、ゲーム制作側としてのメタ視点がもっと見たかったという気持ちが残る。
 装備付け替えの時に全身が確認できるのは嬉しいけど、武器と衣装以外のアクセサリは反映されないので面白みは薄い。

 そして衣装は課金だったり限定コードだったりのようで最後まで着替えなかったのでちょっと寂しい。
 大量の衣装が欲しいわけではないけど、1着くらいは着替えが欲しかったなあ。制服とか水着とか現実衣装とか。
※水着衣装が無料DLCである模様

 ADVパートも必要なシステムは押さえている。
 既に選んだ選択肢にチェックマークがつくところ、更にR3でバッドエンドになる場合はマークがつくので周回に優しい仕様。まるごとのスキップ、オート、早送りとあるのも親切。
 ただ、選択肢のあるパートに入るとスキップが出来なくなるのでちょっと不便。選択肢直前でセーブ出来たり出来なかったりなので、バッドエンドを全て回収するとなるとだいぶ前からプレイし直す必要が出る部分もあると思われる。

 現実世界でのイベントはマップ選択かキャラクター選択かという感じになっているけど、ここも分ける必要が特に感じられない。
 現実世界のメニュー画面が水梨のPC画面、という部分は良かったもののもっと活かせたんじゃないだろうか(具体案なし)という気分。

・エンディング
 思いっきり不満が残っているのがこの部分。
 ノーマルという名のバッドエンドとキャラ個別エンドというのは問題ないし、澄香エンドがないのは寂しいけど世界観的に致し方なしというのは分かる。
 ただ、3つ問題に感じた部分があって、「解決してない」「エンディング前セーブが出来ない」「薄い」というのがある。

・解決してない
 しいなエンド以外はデグレードして未然阻止しよう! というところで終わるので終わった感がない。
 そこからが本番じゃないの??? という気持ちで釈然としない。

・エンディング前セーブが出来ない
 イベント挟みつつのラスボス三連戦→エンディング(2周目なら誰ルートを取るか選択肢あり)という流れだけど、致命的なことに誰ルートにするかの選択肢でセーブが出来ない。
 ボス戦後もセーブが出来ず、ラスボス戦開始前のADVパートが直前のセーブデータになるので、7キャラ全エンドを見るためには3連戦×7キャラ分=21戦必要になる。
 順当にレベルが上がっていてEasyモードにしていれば苦労せずに戦えるとはいえ時間の無駄にはなるわけなので徒労感が強い。

・薄い
 それでも頑張ってボス戦に勝利して個別エンドを選んだところで、エンディングがめちゃくちゃ薄い。
 しいな・リディアエンド以外のキャラエンドは各キャラと現実で出会う…というところで終わるだけで、セリカとアルは繋がりがあるから仕方ないとはいえ状況がほぼ同じ。
 しかもエンディングスチルがなく、各キャラの立ち絵の顔アップ+いい感じのエフェクトが出てエンドロール…という肩透かしっぷり。
 リディアエンドについてはリディアが登場すらしない。顔も声も出てこない。

 しいなエンドはまだ少しは長いけど、そっちだとワールズオデッセイと現実が融合する内容で、それはそれでどうなの? と思う。
 ルーデンスやルークが出てくる分には構わないとしても、リリィをはじめとした中身のいるキャラも現実の人物としてではなくワールズオデッセイのキャラとして出てくるってことは彼女たちは現実でいまだに行方不明…? みたいな気持ちになる。多分それとは別にNPCとして…? それはそれで嫌じゃない?

 というわけでエンディングについては大いに不満。良かったところを探そうにも見当たらねえな! という具合。
 ラスボスも異形なだけで倒すことへのモチベーションがそんなに上がらなかったというのも大きい。

・総合的に見て
 世界観好き、シナリオは嫌いじゃないけど好きとも言えない。キャラは好きだけどエンディングは嫌い、という感じでプラマイゼロ。
 世界観とシナリオの組み立て方はとても面白かっただけにエンディングがとにかく残念。