るーむ私記

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【感想】JUDGEMENT7 俺達の世界わ終っている。

JUDGEMENT7 俺達の世界わ終っている。 の感想です。

 プレイ時間は本編25時間プラスエピソード10時間で合計35時間。ボイスは割と飛ばしている。トロコンまでやっても50時間はいかないくらい。
 公式では本編とプラスエピソードが各40時間で合計80時間ということになっているので、フルオートにするとそのくらいかかるかも。

 シュタインズゲートに近いようで遠い、上質さは間違いないアドベンチャーゲーム
 パロディ要素はほぼなし。オタクカルチャーに嫌悪がなければお勧めしたいけど、男性向け作品なのと発売がやや古いせいで女性の胸に言及するネタが多いのでそこは人を選ぶかも。

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●システム
 よくあるアドベンチャーゲームバックログ等のキーコンフィグもあるので便利。
 シーンについてはかなり細かく分割されているので、ジャストで見たいシーンを見る、がやりやすいのは良いところ。

 ただ、メニュー画面は見にくい。

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↑メニュー画面はこんな感じ。
 何を選択しているか、などはきちんと表示されているとはいえ直感的ではないので最初は戸惑うと思う。
 まあアドベンチャーゲームなのでそんな複雑な操作が求められることもなく、時間制限もないのでゆっくり見てゆっくり遊べば構わないのでこれを問題と感じるかどうかは微妙なところかも。
 右側に好感度順位の上位3名が出るのはかなり助かる。ちなみに個別ENDが確定すると1stキャラが照れ顔になるのでそこも便利。

 好感度分岐は選択肢で。
 3つの選択肢の中から時間制限なしで選ぶベーシックな選択肢システムと、右から左へ流れる選択肢を選ぶ(選ばなくてもOK)なS.O.S.システムの2種類の選択肢がある。
 この2つに分かれている理由は不明。感想を述べるものが比較的S.O.S.システムには多い気がするけど絶対ではない気がする。

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 下手な選択肢を選んじゃうよりは時間切れの方がまだ良い結果になる・文字の大きさや流れる速度が違うこともある・流れずに表示されるだけの文字もある など凝ったつくりにしようとした感じはあるけど、もっと面白くできた気はしている。
 特に終盤になるにつれ、最初に流れてきた選択肢を放置→最後に大きく登場するものを選ぶ が安牌になりすぎていてちょっと退屈。
 初見ですべての選択肢をチェックできないのもあまり良くないかもしれない。演出とか難しいだろうけど、最初に今回のS.O.S.で選べる選択肢が1度出現する→それが散らばっていって現在のS.O.S.選択肢に…みたいに、周回やセーブ&ロードに頼らずに初見で選択肢のすべてを把握する手段は欲しかった。

 とはいえシステムは面白かったので、S.O.S.はあって良かったと思う。

●音楽
 あまり音楽を気にする方ではないんだけど、本作の音楽はかなり気に入っている。
 欲しいところには一通り揃っていて印象に残るものも多い。個人的にはスタート画面で流れるジャズ調の音楽が特に好き。こんな洒落た空気のゲームではないだろ! とは思うけども良い曲。

 エンディングは一ノ瀬玲菜役の黒沢ともよさんが歌唱。こちらもとても素晴らしい。

●グラフィック
 この手のゲームにしては等身が高め。萌えにガッツリ振っている絵ではない。
 ユウノがやや胴長に見える・アサノが髪型もあってやや顔が四角い・出口さんの身体がでかすぎるなど気になる部分は多少あるけど絵柄の個性の範囲。絵で好みが分かれるようなことはなさそう。

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 意外と鍛えている世界さん・普通の大学生の零時・肥満のイルカさんと体の描き分けも出来ているのは良いところ。スチルごとに絵の違いがあるとかもなく、かなり安定した絵柄だなという印象。

 見た目で言うとタチアナ・玲菜がお気に入り。

 背景グラフィックも丁寧な印象。
 本作は「人が消える」がある程度重要なポイントなので、同じ背景でもモブあり・モブなしなどいくつかパターンが用意されているのは基本的なことだけどとても良いことだと思います。

以下ネタバレあり。

●ストーリー

 一言で言うならゲーム制作会社がうっかり大変なことに巻き込まれちゃうお話。

 この手のアドベンチャーゲームでは「序盤はくどいほど日常パートが続き、終盤はシリアス一辺倒」という緩急の付け方が多い気がするけど、本作はギャグ・日常系の中にシリアスが差し込まれる感じに近い。終盤に近づくほどシリアスな時間が長くなったり差し込みの頻度は上がるけど、ギャグや日常的な会話が意図的に最後まで残されて居たと思う。

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 彼らのやり方で敵と対峙するなら傍目にはギャグ混じりのやり方しか無いわけだし、これはとても良かった。下手に深刻ぶられるとプレイヤーの気持ちがついていかないからね…。

 感情の流れや情報の出方などに一切違和感がないのも珍しい気がする。
 話を進めるために強引な流れになっちゃうところがある程度は出てくるものなんだけど、本作はそうした意味の分からないところがほぼ無かったのは素晴らしいところ。

 ただ、全体の流れを見るとストーリーの動かし方は単調で、日常と新世界をひたすら往復するだけ。
 色々な理由や状況の変化があるとはいえ、新世界から脱出した後は「もう新世界に行くことはないだろう」とか言うのにすぐ新世界に行くのでまたか…とは思ってしまう。


 消えそうで消えない、ちょっとだけ消える玲菜にも後半どんどんモヤついてくる。新世界体験の動機もほとんど同じなので、そういう意味では先が読めて退屈。

 あとは各キャラに7つの大罪風の罪が課されているけど、やっぱりこれは納得いかない部分もある。
 罪で特に気になるのはアサノの「残念」と零時の「平凡」。他のキャラと比べてアサノの残念だけ作中で取り沙汰される事が多くて食傷気味になるのと、零時はどちらかといえば「平凡を自称するラノベ男(周囲に女の子が多く、かつ女の子から好意を寄せられがち)」なので、大罪になぞらえた罪が残念・平凡かと言われるとちょっと違うような気がする。

 あとは七罪さんの混沌・イルカさんの中二もこのままでも良いけど変更の余地はありそう。
 イルカさんは中二病でもあるけどどちらかというと「他者に理解してもらおうとしない・自分の世界にこもりすぎる」ことが罪なので中二病が罪というのは少しズレている気がする。七罪さんも素直じゃないことが罪なので混沌というより裏腹というか…裏腹もまた違うんだけど……。

●キャラクター

尾張世界
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 アサノを蔑む言動が多いのでそこは不快だけど、終盤になるにつれどんどん好きな部分が増えてくる。
 特に玲菜を諦める発言から銃殺のくだりはこれまで見られなかった責任者としての姿や死に際は意外と静かなところが新鮮だった。本質がどちらなのかといえば変態な部分なんでしょうけども。

・イルカ2号
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 ほんと〜〜にうるせ〜〜〜〜〜。
 担当声優の方はアイドルマスターSideMでは御手洗翔太役なので、全然違うタイプの声でびっくりする。本当にうるさいしだいぶキモいしいい加減にして欲しいところではあるけどそれだけではなく、しっかり世界を信じている姿も見られたのは嬉しかった。

 プラスエピソードの「万人受け」について悩む姿は痛々しいけど同時に共感もできる。わかりやすい・誰にでも人気が出る、って考えるとドツボにはまっちゃうよね!

 個別ENDはかなり友情寄りで、もっとイルカさんのパーソナルな部分に踏み込みたかった気持ちはある。恋愛だけでなく、家族とかこれまでの人生とか…お風呂場でジャッジメンとの出会いについては聞けたけど、もっと知りたかったなあ。ベロベロスを惑わす魅惑のボディにはめちゃくちゃ笑った。

・早瀬アサノ
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 残念キャラ扱いなのが残念でならない。というか世界さんが巨乳好きだからアサノ(笑)みたいな扱いになってるけど、普通にスレンダー美女扱いされてもおかしくないのにな。

 暴力キャラがあまり得意でないのもあって、あまり気に入る要素は多くなかった。良き姉要素がもっと見たかったかな。ヒルノ事件の美味しいところを玲菜と七罪に取られちゃった印象なのが惜しい。

 何気にリア充ポイント事件後の通話等のアイコンがブレまくったニコルくんになっているのが面白い。

・早瀬ユウノ
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 女より男ウケがいいタイプや天然キャラは好きではないのでユウノも同様に好きではない。ただヒルノ事件をきっかけに変化したところは好ましいし、個別ENDだとぶっちぎりで一番良い。

 好感度の上がる選択肢がユウノを必要としているかどうかで決まっている感じがして、効率よく好感度を上げるにはセクハラっぽい選択肢を選ぶ必要もある。
 ユウノにとって形はどうあれ人に奉仕できることは喜びにつながっているんだと気づいたらそれまではあまり気づけていなかったユウノの魅力が分かった気がした。

・結城七罪
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 家庭的なキャラが好きです。
 毒舌キャラは彼女が彼女自身を守るための殻なんだろうと思っていて、夫婦扱いをされると途端に弱くなっちゃうのはそういうことだと思っている。もちろん毒舌キャラも家庭的な部分も、照れて可愛くなっているときも全部七罪さんの本質ではあると思うので普段は自分を偽っているとかではなさそう。

 しかし部屋のインテリアがかなり凝っていたのは驚いた。19歳で高卒後すぐジャッジメント7に来たようだから今が社会人2年目だと思うんだけど、それであれだけのインテリアを揃えられたのはかなり凄いことだと思う。エンディングで親の話も出てくるし家族関係は良好な気がするので、高校生の頃にお小遣いでインテリアと衣服は揃えた感じだろうか。ベッドは大きめということなのでセミダブルかな〜。

・午前零時
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(零時のスクショを1枚も撮っていなかったので代わりにエロリィをご覧ください)

 主人公。
 学業不振が素直に心配なのでちゃんとしてほしい。

 典型的な主人公にイメージは近く、そんなに尖った要素は感じられない。ただキャラブレもないのでそこはとても良かった。

・タチアナ
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 中1でこれは結構なヤバだけどまあ有り得る…か……?わからない……。

 公式HPで演者の花守ゆみりさんが「ウンコウンコ言った」とおっしゃっていたので警戒していたけど、ウンコと言う率は高いけどそんなにウンコウンコうるさいイメージはない。
 純粋な意味でのウンコ(純粋な意味でのウンコ?)が多く、人を貶めるウンコ(人を貶めるウンコ?)が少なかったのが理由だと思う。「悪い」を表現する時にウンコになりがちなのと、単純にウンコ=おもしろいという子どもの感性があるのでウンコ発言をすることはあるけど、踏む・食べるなど、「具体的にウンコが何なのか」には言及
しない傾向にあったので不快感が薄かったのはあるかもしれない。

 年齢もあって破天荒なキャラだけど、プログラマ・ユーリーの娘としてストーリー進行への貢献度が高く、ユーリー関係で影を帯びることもあるのでただのクソガキにはならず良いバランスだと思いました。

・一ノ瀬玲菜
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 出た! ヤンデレ

 まあなんであんなことになっちゃったかは玲菜ENDの中で彼女自身が語っているからなあ…。

 それはそうと年齢の割に落ち着いている空気感がすごく良い。黒沢ともよさんの声が良いのは大きい。ソムニウムファイルでのみずきも良かったしね。すごいわよ。

 シナリオの都合上しょうがないんだけど出たり消えたりが激しく、終盤あたりで登場するとまたか……とうんざりしてしまう部分はある。

・那比みやび
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 好きではあるんだけど、物語を動かすためのコマ感が否めない。
 ノリの軽いお姉さんでありDIHであり葉子さんの友人であり…と抱える役割が多いのでどんな場面でも出やすい人。
 さばけた口調とか銃殺未遂後のメールがふざけているところとか、見どころも可愛さもたくさんあるんだけどもそれ以上に物語を動かすための存在という印象がぬぐえなかった。
 引きの立ち絵で見ると思った以上に髪が長い。


 エンディングが一番好きなのはユウノだけどキャラとして好きなのは七罪さんかなー。次点で玲菜…も好きだけどエンディングがアレだったので繰り上げで世界さんあたり。

 開発ブログには色々と開発当時のことが書いており読むととても楽しいので、総集編(公式によるMAD動画)も眺めつつ噛み締めようと思います。