るーむ私記

プライベーーートなブログです

君は筋肉AI氏を知っているか


※エロい絵の話をしています
※誰の許可も取らずに書いています


「筋肉AI」とは、あるPixivユーザーの名前です。



 筋肉AI氏はAIイラストを投稿しており、主に女性が身体的自由を奪われ、性と排泄の捌け口にされるような絵を投稿されています。

 AIを使って同一コンセプトのエロい絵を多数アップする…という試みはありふれたものです。
 しかし、筋肉AI氏はその発想力に優れた点があります。私が筋肉AI氏を知ってから数ヶ月経ちますが、今も新鮮に筋肉AI氏の発想力には感激しているため、筋肉AI氏の優れた点を整理したいと思います。

●筋肉AI氏の投稿傾向:「レイプランド」と「麗富学園」


 筋肉AI氏が投稿したイラストそのものは、言ってしまえばありふれたものです。
 女性が男性と望まない性交渉をする・排泄物を口で受け入れる・土下座をさせられるなどの傾向がありますが、インターネット的には通常性癖の範疇と呼べるでしょう。

※補足:インターネット上で同嗜好の方を見付けることは容易だという判断から、ここでは「通常性癖」と呼んでいます。

 2023年9月現在、筋肉AI氏が投稿している作品は、ふたつのシリーズに大別されます。

 ひとつは「レイプランド」、もうひとつは「麗富学園」です。
「レイプランド」は、どこからか連れて来られた女性=アトラクションを自由にしてもよいとする世界観です。投稿は終了しており、物語として完結しています。
「麗富学園」は、レイプの概念がない世界に、突如として現れた学園長が、女生徒を辱めるストーリーです。

●筋肉AI氏の特徴:都合の良い世界観だがコントロールが不完全である

 レイプランドシリーズでは「女性をアトラクションとして好きにしてよい」、麗富学園シリーズは「女子生徒を便器としてトイレに据え付ける」など、現実ではありえない状況が発生しています。

※補足:発生させることは可能だが、この規模/長期的には不可能という意味で「ありえない状況」と呼んでいます。

 アダルト作品では「都合の良い世界観」が頻発します。
 性処理委員会、セックス許可証、コンドームを箱で使い切る弩級性欲、ダブルの部屋を取る手違いが多発するビジネスホテルなど、あらゆる手段によって人はセックスを実現させようとします。

 筋肉AI氏の投稿作品も、こうした「都合の良い世界観」を採用しています。
 そのうえで「都合の良い事態」が発生しないことが、筋肉AI氏の特異性と考えています。

 具体的にどのような特異性があるかを、2つのシリーズを通して見てみましょう。

●レイプランドの特異性:どうやってクニポは生まれたのか


 レイプランドシリーズは、合意なく連れ去られた女性が「アトラクション」と呼ばれ、男性によって自由に扱われるさまを描いたシリーズ作品です。

 最初は綺麗な服を着て清潔だった女性が、男性からの凌辱を受け、入浴もできない状況で心身を汚していきます。

 明らかに「女性が汚れること」で性欲を喚起させる意図の作品群ですが、作中世界内でのレビュー等を模したキャプションには「汚れた女性はエロい」という価値観が発生しません。作品が意図する対象と、作品内の存在の価値観が一致していないのです。



 性経験のない男性(童貞)がレイプランドに行ったレポートの体を取っています。
 男性は念願のセックスを行えず、喜びはありません。
 思い通りにはいかなかったうえ、思い通りにいかなかった様子が、読み手(私達)の性的興奮を掻き立てているとも感じませんでした。もちろん私のリビドーの問題もありますが、キャプションの文面は一般に性欲を喚起させるものではないでしょう。



 レイプランドの常連客のレビューです。
 レイプランド内の女性は入浴の手段がほぼなく汚いので、誰もセックスをしたがらない…というテキストです。
 汚れた女性とのセックスは喜びではなく苦痛であるとされ、レイプランドの常連の間では、女性に触れることはポーカー敗北者の罰としても扱われているようです。
 上記の行為は「クニポ」(罰ゲームはクンニのポーカー)の略称で呼ばれており、彼らの中では略称を要するほど一般的なものごとだと分かります。


 無様エロと呼ばれるジャンルがあるように「エロくないのが逆にエロい」みたいな価値観は存在します。
 しかし筋肉AI氏はもうちょっと複雑で、「汚れすぎてエロくなくなっている状態」にエロスを見出していることが特異だと思われます。

●麗富学園の特異性:強制性交が存在しない世界


 レイプランドシリーズは「我々の生きる世界にレイプランドが発生した」形です。

 それに対し麗富学園シリーズは根本の世界観が異常で、レイプ(強姦、強制性交)が存在しない世界のようです。
「相手の意思に反した性交渉」をする考えがそもそも人類の頭にないようです。性犯罪が横行する世界に生きる我々には理解が難しいですが、我々の世界から、強制性交だけが消えた世界と思われます。

 そんな異常世界に、我々の世界に生きる学園長が投下されています。
 しかし学園長もまた我々の世界基準では異常者です。女子生徒のスラックス廃止(スカート強要)や退学者へのレイプなどを行い、この世界にレイプ(強姦)思想を広めるべく活動をしているようです。

「学園長の狂った施策以外はいい学校だ」とするレビューが投稿されることで「ヤバい学校なら退学・転校しろよ」という倫理崩壊系作品にありがちな穴が序盤に防がれているのも地味にイイ仕事をしています。やるじゃん。



 世界観の異常性はこの投稿のキャプションが一番分かりやすい気がします。
 世界観的に「姦」の字が存在せず「強姦」が読めない、「セックスをしている女の子が泣いている理由が分からない」などの、性欲を喚起させる目的に乏しいわりに異常に細かなディティールに脳が混乱しますね。
 それにしても「結論:漢検一級は漢字にうるさい」で終わるキャプション、面白すぎるだろ。

 また、レイプランドシリーズでもあった「作中人物と読み手の価値観の不一致」は麗富学園シリーズでも起こります。

 レイプランドシリーズは「汚される女性に性欲を喚起される読み手≠汚される女性に萎え萎えの作中人物」の不一致が起こっていました。
 麗富学園シリーズは「汚される女性に性欲を喚起される読み手」と作中人物である学園長はおおむね価値観や目的が一致していると言えます。
 しかし、学園長の構想はすぐさまは実現しません。なにせこの世界にはレイプ概念が存在しないので、男子トイレに拘束され便器化された女性は正しく便器として、排泄物の処理にのみ使われるのです。



「学園長&読み手≠それ以外の男性」で価値観が一致していない状況です。
 これに関する学園長の私見も良い。「個人的にはセックスに使って欲しかったが生徒の自主性を伸ばす」って何??

 しかし、麗富学園シリーズでは、徐々に学園長&読み手側の価値観が強くなっていっているようです。



 この世界においてはエポックメイキング的な「便器にくくりつけられた女性は排泄ではなくセックスに使った方がいい」と気付いた男子生徒が登場します。
 さらにその後は「麗富学園の生徒と勘違いされた女性がレイプされる事件」などを通し、レイプ・強姦の概念が市井に広がっていることがよく分かります。

 麗富学園シリーズの特異性は「そもそもレイプが存在しない世界だが、その設定が性的な描写(読者の性欲を喚起させる仕組み)に直結しているように見えない」ことにあります。
 作品世界観とテーマが一致していない、と言ってしまえばよくあるアマチュア作品の失敗ですが、そう処理してしまうには強すぎる異常性が筋肉AI氏の特徴です。

 レイプ・強姦概念が市井に広がってしまえば、アダルト作品にありがちなヤバ世界になるわけですが、今後どのように展開するのでしょうか。

 今後も注視したいと思います。



 FANBOX側の規約の問題で筋肉AI氏のFANBOXは公開停止してしまっていますが、停止前には「レイプランドに拉致された女性の被害者家族が作ったテイのチラシも生成したが、さすがに良心が咎めたのでやめた」などの人間性ほっこりエピソードもありました。
 AI生成ツールの検閲の都合上レイプランドについてのテキストはにゃんにゃんランドとして生成していたなどの面白い情報もあったため、またどこかで筋肉AI氏ご自身のテキストが読める日を楽しみにしています。