るーむ私記

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【映画】メランコリア 感想

 映画「メランコリア」の感想です(ネタバレ有)

 たまたま映画館でやっていた「ニンフォマニアック」が気になって観たところ面白かったので、ニンフォマニアックと同じラース・フォン・トリアー監督のものを探していた時に見つけた「メランコリア」を視聴しました。

 率直な感想としては、「よく分からない」映画。
 監督の名前以外の情報が一切ない状態で観たので、メランコリアという惑星が…ということすらそもそもよく分かっていませんでした。これは事前知識を得ようとしなかった私自身に問題があるのだと思います。

 2011年公開でそう新しい映画でもないこと、観てからこの記事を書くまでにラグがあるので、印象的だった部分について軽く書こうと思います。

 ジャスティンは鬱病、クレアも徐々に不安と恐怖に囚われています。
 ジャスティンの持つ憂鬱さはマリッジブルーかと思っていたのですが、鬱病メランコリア接近の不安、だったみたいですね。
 正直な所ジャスティン編については面白かったけどよく分からない所が多かったです。不安からの自棄で自身の披露宴中に急に入浴をしたりセックスをしたりしたのかとは思いますが、私としては納得がいかない行動でした。
 不安に駆られた鬱病患者だからこそ納得のいかない行動をしたのかもしれません。

 ジャスティン編とクレア編ならクレア編の方が好きです。
 女優さんが「ニンフォマニアック」の主演だったシャルロット・ケンズブールさんだったことが大きいかもしれません。監督と主演女優が同じ、ということで本作を観ることに決めたので、その分の下駄はあります。

 最初は時系列が良く分かっていなかったので、「時系列はクレア編→ジャスティン編、ジャスティン編の謎が前日譚のクレア編で分かるようになる」かと思っていましたが、普通にジャスティン編→クレア編の時系列だと観ていて気づきました。最低限の知識くらいは持って映画を観よう。
 すっかり鬱になったジャスティンと、それを支えながら自分も不安を持つクレア。
 キャストが少ない映画が好きなので、そこも気に入っています。クレアを中心に見て、登場人物が「自分・夫・息子・妹」。ついでに馬。登場人物が血縁関係なので私にも分かりやすかったです。

 キャストが少ないのもあって、物語の進行は非常に静かでした。
 メランコリアが遠ざかるのを確認して安堵し、近付いて慄き、頼れるはずの夫は既に亡い。パニック状態で息子を抱えて逃げ惑うクレアがとにかく悲愴で、観ていて苦しかったです。
 逆に冷静なのがジャスティン。鬱病で、仕事も夫も失くしているので、逆に世界が終わるみたいで安心しているのかもしれないとすら感じられる態度です。
 クレアの息子に恐怖を抱かせないように最後まで寄り添う。その行動は、社会的に既に死者も同然だから出来たことなのかもしれませんね。

 そして最後には全てが滅びる。
 観終わった後は「なんだこれは」という戸惑いばかりで、レビュー等を検索して眺めている今でも分かったとは言いがたい状態なのですが、少なくともクレア編の静かで暗い雰囲気や、最後の方の朝が近付いている青い空気は好きです。

メランコリア」「ニンフォマニアック」そして「アンチクライスト」がトリアー監督の「鬱三部作」と呼ばれているようですので、次は「アンチクライスト」を観てみたいです。
 …ホラーが苦手なので観ることが出来るか不安ではありますが、頑張ってみます。