るーむ私記

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【映画】ゴーン・ガール 感想

 映画「ゴーン・ガール」の感想です(ネタバレ有)
 面白いとは聞いていたし気になっていたものの、「ネタバレが無い方が断然面白い」とのことだったのでレビューを確認も出来ないままに視聴。
 前情報が見れないなんて、とは思いましたが、よく考えたらいつものことでした。

 ある日突然行方不明になった妻。
 彼女の行方を辿ろうとするも、実の所彼女のことなどろくに知らなかった夫。
 そして、夫には覚えのない妻殺しの証拠がどんどん出てきて……というサスペンス風ストーリー。

 注目したいところとしては、「エイミーに出来て」「ニックに出来なかった」ことの理由でしょうか。
 エイミーが優秀かつ狡猾で、ニックがそうではなかったという面ももちろんあると思うのですが、エイミーがあそこまで巧みにニックを陥れることが出来たのは、ニックの性格を正しく把握していたためだったのだと思います。
 ニックがエイミーの血液型すら知らなかったことを思えば対照的に、エイミーはニックを理解していました。
 それはエイミーがニックを愛していたからというよりも、エイミーがニックを「愛すべき人」を決め、「愛すべき人を理解する必要がある」と判断したからなのだと思います。
 そういった所をエイミーは機械的に判断しているから、怖い印象を受けるのかもしれません。

 エイミーサイドに移ってからの解き明かしは、絡まった毛糸をほぐすような、欠けていたパズルのピースを見付けたような爽快感もあり気持ち良かったです。
 ニック目線で得体の知れないエイミー、エイミー目線でも狡猾で聡いエイミー。
 だからこそ、エイミーが逃亡先で単純な暴力と単純な動機によって財産を奪われるシーンは痛々しく、見ていられないとすら思いました。それでも何とか這い上がる辺りがタフというかなんというか。

○総評
 性別、そして夫婦どちらに感情移入するかで感想の大きく変わりそうな作品です。
 カップルや夫婦で観て差異を楽しむもよし、同性の友人と観て共感し合うもよし、あるいは一人で観て考えを深めるもよし。
 多くの視点から楽しめる作品ですので、年単位で時間が経ってからまた観てみたい作品です。