るーむ私記

プライベーーートなブログです

【感想】D.M.L.C.

 D.M.L.C クリアしました!

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 エクストラシナリオは未読、エンディングは全回収。
 トゥルーは物足りないというか拍子抜けなのは否めない。悪く思う気持ちがあまり湧かないのは、作品のキャラクターに愛着があるからかも。
 面白かったしもう一度プレイしたい気持ちはあるけど、続編を心待ちにしたい気持ちが一番強い。

 以下、本編のネタバレあり。

 一番気に入ったキャラは乙羽。
 本作はデスマッチラブコメ、およびそれを起こした3つの原因(るみ子による三人囀りの天使様、景の持つジンクス、黒幕による三人囀りの天使様)が主題だから乙羽の家系の件は決着がつけづらいわけだけど、もっと正面から乙羽の能力と向き合う恋愛もしてみたかった。
 続きが出るならその辺に期待したいところ。

 ギャグテイストのラブコメから始まってシリアスな話が始まり、かと思えば結局ラブコメとして終結する感じは結構好き。
 途中から作品の雰囲気が変わるのは下手をするとジャンル詐欺扱いを受けそうだけど、本作は序盤とかとろりんの巣とかの前振りがちゃんとあるのでそこは安心かもしれない。

 バッドエンドで入れるとろりんの巣にかなり助けられている作品だな~とは思う。
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 とろりんの巣で「ここは伏線になってる」「この辺から笑えないバッドエンドが出てくる」「別の選択肢を選べ」「○○の選択肢で○○を選んで○○して○○に行けば○○ルートに行ける」と事細かに説明が入る+説明をする前にワンクッション置いてくれるので、そこは親切設計。
 フローチャートがないアプリ版をプレイしたのでやや不便な感はある。

 2013年のアプリだからか、2021年現在の尺度で測るとシステム的な不便はある。
 エンディングととろりんの巣以外の回想がない、CG鑑賞モードが使いづらい、セーブデータがプレイ時のリアル時間しか表示されないのでゲームでの○月○日のデータという括りでは探しにくい、そもそもプレイ中に今が何月何日か知る手段が乏しい、など。
 私はあまり回想を見ないので回想がないこと・鑑賞モードの不便さはそんなに気にならなかった。乙羽エンド・美弥エンド・トゥルー周りはフラグ管理が必要になるので周回が必要になり、セーブデータ管理が煩わしかったのでそこが特にマイナス。

 システム的に気になった部分はTIPS。
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 作中の出来事を分かりやすくまとめた…とは言うものの、発生量が非常に多いので、ポップアップのたびにチェックするとなるとゲームの流れを削ぐことが多々ある。
 明確に謎っぽかったり新設定だったりするものは良いにしても、ジジイとの攻防はTIPSに必要ないと思えてならない。
 あとTIPSの発生はセーブデータ依存なので、たとえば4月26日をプレイする→4月27日までプレイしてから4月26日のデータをロードしてもう一度26日をプレイする となると、27日の既に見たTIPSが再発生してポップアップしてしまう。
 無視すればいいのはあるんだけど、アプリ版はポップアップだけでいくつ未読TIPSが溜まっているかまでは分からないのでそういうわけにもいかないんですよね…ちなみに結局諦めて4月27日以降のTIPSは見ていません。そういう解決法もある。

 音楽や立ち絵やCGの少なさはそんなに気にしていない。隆斗の立ち絵のクオリティが低く見えて気になったところはあるけどその程度。
 ただPS4版を見ると全員可愛すぎてびっくりする。時代もあるだろうけど絵のクオリティは高くはないです。

 CGが少ないのはあまり気にしていないけど、5種エンドにはすべてイラストが欲しかったな…とは思っている。
 俯瞰して見ると学校火災発生して学校が地獄化、乙羽と逃げるシーンにCGが用意されるんだったらるみ子さん単体のシーンでもCGを用意してあげれば良かったのに…と思わないこともない。多分公園での手紙のシーンが該当するんだけど、テキストウィンドウとるみ子さんの顔が結構かぶるからあまり印象に残らないんですよね。

 乙羽エンドのクオリティはもっと上げて欲しかった。なぜなら乙羽が好きだから。



 シナリオは伏線と回収がかなり丁寧に行われている印象。
 明らかになんかある感が強かった景のテスト行方不明とかの回収ももちろん、トゥルー以外の4エンドのモノローグも最後までプレイした後だとかなり楽しい。
「黒幕」「怪異」等が誰を指しているかが分かると一見爽やかな九段エンドやるみ子エンドの後味が悪くなり、乙羽エンドの鬱度も上がる。逆にトゥルーの良さも増すので、エンディングだけでも再プレイの価値が高い。

 以下、キャラの雑感。

・乙羽
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 一番好き。ADVポータルによるとタレントとの区別で「おとは」ではなく「おとば」になったらしい。なるほど!

 狂うしかなかったキャラで、家系がそもそも狂っていた。ホームページとかの部分は正直シナリオのご都合を感じないでもない(日記帳を美弥さんが盗んでいた、の方がまだリアリティがあると感じる)。
 髪色が作中で明確に「緑」とある緑髪ヒロインは珍しいな~くらいに思っていたらちゃんと理由があったのでかなり満足している。

 暴力ヒロインの属性自体は嫌いなんだけど、自分の性別が分からず苦しむ乙羽の心情はかなり心に来た。笑い上戸なのも可愛い。

・るみ子
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 津野=角説はまったく関係なく、募る巫女、ということですね。ありがとうケムコADVポータル。

 あまり気に入っていない。家のこととか色々があったにせよ、彼女自身がのびのびと生きているように見えるからかもしれない。もちろん実際は「のびのびと」でなかったことは分かっているんですけども。
 クリアしてからだと、彼女がデスマッチラブコメ命名者というのもなるほどね…! という趣があって大変好き。

・志乃歌
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 まさかの全ぶん投げ…続編お待ちしております。
 PS4版だとめちゃくちゃ可愛くなっていてびっくりした。PS4版だと景による偽ノート提示のシーンにCGがついたらしく、ますますPS4版が羨ましくなる限り。
 キャラとしては裏や陰がありつつ、裏や陰の部分の吐露が早すぎる気もしていて気持ちは追い付かなかった。スーパーコックリさんを除けば一番普通の子って感じがして好印象
 夜の学校で準備してくれたガジェット類、今だったらグループLINEで事足りそうだな…と思いました。2013年当時もLINEはギリギリあった気がするけどまだ普及はしていなかったくらい? あのくらいの時代だとガラケーも極少数派ながら存在はしたもんな

・亜須加
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 良キャラなんだけどジンクスがないせいで終盤は割と置いて行かれていて、そこがもったいないな~~と思う。
 終盤、夜の校舎での言葉は良かった。

・美弥
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 キャラの見せ方という意味でなら一番気になる部分が多いキャラ。
 胸ネタとか(これは2013年当時なら気にならなかったと思うし、2020年版では改善されている模様)、世界観の説明を一手に引き受けてしまっているところが気になる。
 説明要素で担う部分が多い+作中で説明できていない情報が多すぎるのがネックなので、もっと他のキャラに振り分けられる部分は振り分けて欲しかった感じはある。

 レイジングループのめー子である、というのは特にプラスにもマイナスにも作用しない。まあ作品の発売時系列からすると本作→レイジングループ だからこちらにレイジングループの伏線がないのは当然ですね…2020年版は何か追記があったりするんだろうか。

 魅力的だからこそもっと彼女そのものの人間的な要素を掘り下げて欲しかったと思っている部分があり、そこを気にしている。
 キャラとしては乙羽の次に好き。

・隆斗
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 髪色と髪質全然気付きませんでした。確かに…!
 ただ、彼にとっては忌々しいものかもしれないから染色とかウィッグとかの設定があっても良かったのかもと少し思う。気付く人は乙羽―隆斗のラインに速攻で気づくんじゃないだろうか。

 白詰家の色々については美弥さんじゃなくて彼が情報を残したとしても良かったんじゃないかなーと思う。学年中の生徒の裏取りをした話もあるんだし美弥の負担軽減の意味でも。

 動機も伏線の張り方もとても良くて、敵ではあるけどかなり気に入っている。


・鈴
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 隆斗との大人かどうか、という会話がとても好き。
 保健室が魔界と化していることを別としてきちんと大人をやっているところに好感が持てる。

・景

 鈍感系主人公かと思ったらまったくそんなことはなかった。
 彼のバックグラウンドは分からないままだから続編(彼が主人公ではなくても良い)が欲しい~! と思えてならない。
 三年間はデスマッチじゃないラブコメを楽しんでね!



 デトネコも含めキャラクターたちへの愛着がとにかく湧く作品で、もう一度彼らに会いたいという意味で続編が欲しい。
 コンプラ的に不快な部分は多くあるので、再プレイするなら2020年発売のPS4版かなーという感じ。2週目はネタバレ全開のプレイ日記を書いてもいいかもしれないですね。