ゲーム「魔人と失われた王国」の感想です。
ネタバレがあります。
ストーリーはいわゆる王道なものでした。
予想できてしまうということでもありますが、先が見えるゲームの是非は人それぞれだし私的にはアリです。普通に楽しかったです。
ただ、ストーリーは薄いです。
がっつりとしたシナリオパートがあるわけではなく、アクションの合間にちょっとずつ添えられているような感じ。
オープニング、4将軍戦前後、あとはラストバトルからエンディングくらいしかイベントはなかったような印象で、ここは物足りなかった。
細かいツメもいまいちです。
トゥペレや英雄が動物と会話出来る理由が不明(会話できる=血縁と見るのも微妙)、ラストバトル以後でラトゥミ活躍しすぎとか。
あと、ラストバトル前のイベント、父(名前忘れた)が「驚異となる者は排除」と語りますが、この驚異は脅威の誤植ですね。ただでさえシナリオが薄いんだからこの辺のチェックはもっとして欲しかったです。
イベントで気に入ったのはランダ戦後の彼女の独白。
私はお人形だ、というランダの自意識とラトゥミの寂しさ、どちらかが悪くてこうなったわけじゃないんだよなぁと感じました。
あとは名の無かった魔人が英雄に名前を貰い、名の無かった主人公に名を与える……という連鎖も印象的でした。
回想の影絵もいい味ですね。
キャラデザは総合して普通。
好みの問題ではありますがトゥペレの胸丸出しファッションは苦手。祖王、盗賊辺りも露出があるのがあまり好きじゃないです。
魔人は最後まで舌が駄目でした。犬みたいに薄くて長いのと、実を食べる時に舌を伸ばすのが下品に感じました。
ラトゥミは超かわいい。ダイヤ柄タイツ100年前からあったとかアルケラ王国最高。
あとラトゥミのデザインだと、前髪が好き。前髪が途中からサイドの毛と合流しているんですが、よく見るとサイドに前髪が重なっているのではなく前髪を顔あるいは側頭部とサイドの間に挟んでずり落ち防止しているのが可愛い。
なんでこんな所がこんなに可愛いんだろう……。
ラトゥミについては終盤活躍しすぎな感じはありますが、特に気になりませんでした。
なんとなく戦闘時のボイスが間抜けというか真剣味の薄い印象はありましたが、その程度。
シナリオが薄くても戦闘や謎解き時などの会話が多いので、魔人とコンビを組んでる感があって感情移入は出来ました。
会話のバリエーションも豊富で楽しかったです。
ダンジョン難度は高くないと思います。
いや私は結構迷ったけどね。アクション謎解きゲーに慣れてる人ならそんなに迷いもしないんじゃないかと思います。
ポイントセーブ方式ですが、ポイントが少ないわけではないので不満もないです。
システムや動作の不満があるとしたら、トゥペレのダッシュと魔人の転倒。
前者は息切れが早く、下手に走るより歩いた方がマシなんじゃないかと思えました。息切れまでの時間を伸ばす・息切れのモーションを短くする・息切れをなくすとかあっても良かったかなと思いました。
後者は可愛いからアリなんですが頻度が多すぎたり、早く来てほしい時だとイラついたり。好みの分かれるところですが、私はこんな印象でした。
動作の不満とは少し違いますが、トゥペレの2段ジャンプはいらなかったと思います。
戦闘で使うと有用だったのかな? 謎解きの類で使うことはなかったので、私は必要に感じませんでした。
音楽だと、スタート画面の曲が好き。
オーケストラアレンジもありますが、私的にはスタート画面とかの方が切なさがあって好みです。
他の音楽はあまり印象には残りませんでしたが、探索中のさりげないBGMが好きだったのを覚えています。
……とりあえずこんな感じで。
総評として、普通に良い作品でした。“小粒な良作”とかそんな感じ。
作中の人物や過去の出来事がはっきり明言はされないので、色々想像出来そう。
価格との釣り合いは微妙ですが、人に薦めるに値する作品だと感じます。