るーむ私記

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【感想】映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢見る♡お子さまランチ



映画『デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ』感想です。

 映画とは言うものの上映時間は60分少々でテレビ放映版2話分+αでどのくらいストーリーが展開できるのかと思ったらかなりしっかりしていて嬉しかった。

以下ネタバレあり。

プリキュアシリーズ視聴履歴

 これまでに通しで視聴した作品はなし。
 そもそもニチアサ作品に触れるようになったのは仮面ライダーゼロワンがきっかけなのでそれ以前の作品はノータッチ、ゼロワン以降の時期に放映されていた作品も、早起きできて興が乗ったら見る程度。
 スタートゥインクルはほぼ観ず、ヒーリンぐっどは1話は観てその後もちょっとは観た(終盤がシリアスで敵が主人公の体の中で育ってた?みたいなのは知ってる)、トロピカルージュは4話に1話くらいは観て話の筋がなんとなく分かる程度。
 トロプリの最終回がかなり良かったのもあって、今回のデリシャスパーティプリキュア(以下デパプリ)は1話からほぼ欠かさず観ていて思い入れは一番ある。

○感想(劇場版&9/25放映分までのネタバレあり)

 プリキュアが可愛すぎる。
 もともと私はテレビ版の変身バンクを観ていると可愛すぎて泣くんだけど、可愛いと涙腺が緩む私が劇場版のでっかいシアターで可愛いプリキュアを観たらどうなるかというと最初の10秒で泣いた。

 具体的に言うと、なごみ亭を訪ねる「わたし」の後ろ姿を見た瞬間泣いた。涙腺大丈夫か?
 徹底的にメインターゲットの女児に寄り添って物語を! と思ったし、「わたし」が一人でなごみ亭を訪れるのも、プリキュアと「わたし」だけの親密な雰囲気があったし本作のテーマにも合っていて良かった。

 冒頭に軽く普段のプリキュアバトルの様子を出して(なんでここナルシストルーじゃないんだと思ったら、劇場版公開直前の9/18放映時にナルシストルーは捕らえられてましたね)、ドリーミアへ行くまでの展開はかなりサックリしていて楽だった。

 ドリーミアランドについては別に良い(一夜にして!? とか謎のエネルギー!?みたいな気持ちはない)んだけど、大人が無条件で送り出すのは大丈夫なのか!!おい!!とは思った。
 ただこれも、後になって子どもと連絡がつかず心配になる親御さんが出る、ケットシ―と彼を利用した組織の規模が大きく一般に知られていることから大人も信頼していた、そもそもゆい達は中2だから無条件で送り出しても違和感がないとかもあるので最終的に引っ掛かりは解消された。

 その後のパムパム・メンメン擬人化も可愛いですね。これは劇場版だけのサービスみたいなものだから妖精体のイメージが崩されないように擬人化状態での台詞が少なめだったのも良かったと思う。
 そういえば作中で登場しなかったけど、あまねの兄もドリーミアランドにいたんだろうか。何歳だったか忘れたけど高校生くらいだろうし微妙か?

 テレビ放映版は9月に入ったあたりからコメコメにフォーカスを当てた回が多く、9/18放映回から登場のパワーアップアイテムに成長したコメコメの力が必要だからなんだろうけど、それもあって本作でもコメコメの成長(心境の変化)が描かれたのは良かったと思う。
 本作の良さからすれば些末だけど、本作でコメコメがやけに「ヒーロー」にこだわったのって何か理由があるんだっけ? 私が見落としているだけだとは思うんだけど、急にヒーローにこだわりだしたな……とは思った。

 ジェットコースターでへろへろになるあまね可愛いね~~~そしてこのシーンがあったのもあって、9/25放映回であまねが「誰にだって苦手なものはある」みたいなことを真剣に言うシーンで「ジェットコースター苦手だもんね……」という気持ちにもなれて良かった。キャラクターの深みの出し方がシンプルで良い。

 これも観終えてから解決されたことだけど、迷子を救うゆいのシーンで「本作がゆいを神格化したらどうしよう」とは思った。

 神格化というか、ゆいは完璧で強い子で、他のキャラクターをゆいの取り巻き・イエスマンとするような描写があったら嫌だな~~という話。これは観ていて解決したので詳しくは後述します。

 スタッフロールによると警備ロボはお笑い芸人・和牛のお二人が演じていたそうだけど全然気付かなかった! すごいな。
 そういえばプリキュアって映画だと芸人を起用するルールがあるのかな。だいぶ昔にオードリーが出演したことがあるのは知ってる。

 ゴミ箱へ落下してからのバトル。対雑魚戦と対ボス戦をどっちも見せてくれるのは贅沢だな~!!

 これは観終えてから気付いたんだけど、ゴミ箱から落下した先がゴミのぬいぐるみなのって、生ごみケットシーの力でぬいぐるみ化しているからなんだろうか。
 エコじゃん! って一瞬思ったものの全然エコではないな。むしろ生ごみのままの方が肥料にしたりできてエコだった。

 警備ロボに囲まれる→「一点突破だ!」→散会 の流れは「一点突破とは!?」って思って面白かった。
 これもプレシャス・スパイシー・ヤムヤムが抑えに回ってフィナーレが攻撃、ということなんだけどね。
 本作は結構、瞬間的なツッコミどころが発生→直後に意図が回収、ツッコミどころが問題なくなる の流れが多かった気がする。前述のドリーミアランドに大人が快く送り出すところとかもそう。そして作品に集中できないほどの矛盾や気になる要素が少なかったのも良かったですね。

 フィナーレが好きなので、この辺でフィナーレの活躍がいっぱい見れて嬉しかった。

 あとはブラックペッパーがかっこいいですね~~~!!!!!!

 大変なことになった時にヒラリと現れるのは格好良かった。
 拓海は拓海の思うところの「格好良い」をブラックペッパーに投影しているな~と思っていて、ゆいに「ブラペ!?」って言われた時の「君とは初対面だと思うが?」の格好つけ方が好き。あの距離で「拓海!?」って言われたら照れるくせに~~~~~~~~~!!!!

 コメコメ・パムパム・メンメンがケットシーと合流してお子様ランチを貰うシーンをみて確信したけど、この作品はテレビ版も通して徹底的に肉の調理を避けてるんですね。
 食事として肉料理と思われるものは出てくるけど、絶対に調理シーンでは肉が出ない。宗教や思想で肉NGとするご家庭もあるだろうし、単純に食材として肉を出すと屠畜とかの話にも繋がりかねなくて軸がブレるリスクもあるからだと思う。
 肉の調理シーンが出ないよな~~と思って毎回観ていたけど、本作でもロボットによる調理は千切りキャベツと薄焼き卵だけだったので、やっぱり意図を持って肉の調理シーンは出していないんですね。

 それにしてもパムパム・メンメンがお子様ランチを食べるシーン、よりにもよってパムパムがガツガツと食べているシーンを映すので千と千尋の神隠し的なことかと思ったら違ったので安心しました。

 ケットシーの声聞いたことある気がしてたけど花江夏樹さんなんですね。本当にどこにでも出てくるなこの方。



 本作で特に良かったのが、ケットシーの問題に対してのゆいの向き合い方。

 ゆいは明るく前向きで、ごはんを食べればハッピー&オッケー!みたいな性格で、テレビ版でもあまり悩みに対してしっかりした答えを返せていない(他のキャラクターが担ってくれるという意味)イメージがあった。
 子ども向け作品への偏見もあり、言ってしまえば「ご飯は笑顔! 笑ってご飯を食べれば大丈夫だよ!」みたいな、答えにならないことを言って良い雰囲気になってウヤムヤENDもありえると思っていたので、それが良い意味で裏切られたのはかなり喜ばしい。

 そしてこの話を「劇場版」でやったことも意義があると思う。

 お金を払わないと映画館で映画って観れないんですよ。だからこの作品を、このタイミングで観れるお子さんは、ほぼ間違いなく自分のためにお金を使ってくれる・映画館に連れて行ってくれる大人がそばにいてくれるんですね。
 なので、映画館でこの作品を観る子どもたちは、ほぼ間違いなくゆい側(大人に恵まれて、守ってもらっている実感を持っている側)だと考えることができる。

 観ることそのものにお金を払う必要がないテレビ放映で本作のストーリーをやっちゃうと、ケットシー側の(嫌な言い方をすると、自分のために何かしてくれる/守ってくれる大人がいない)子どもの目にも触れてしまう。今現在そうした立場に置かれた子どもが本作を観るのはつらいかもしれないから、本作が劇場版だったことも良いことだと思う。

 ゆいが出した答えも、ゆいらしい&現実的な落としどころでちょうどよかったと思う。



 ラストバトルは大贅沢で、フィナーレの出番が少ないのも気にならないくらい豪勢だった。
 特にミサイル! プリキュアってあんな力入れちゃっていいんだ!? 視界的快楽全振りって感じで、ケットシー&ゆいの抒情的雰囲気とエンタメバトルにはめちゃくちゃ振り回された。強すぎる。

 あと新おもちゃでの敵撃破時のロウソク吹き消し→5人で「ごちそうさまでした」の流れは美しいですね。バトル勝利モーションだとヒーリンぐっどの「お大事に」が最強感あって好きだけど、これも次点で好きかも。同列でトロプリの「ビクトリー!」も、トロプリらしいアッパーな雰囲気があって好きです。

 最後はみんなでお子様ランチ。

 ここで良いな~と思ったのが、マリーちゃんが食べるのも「お子様ランチ」なこと。
 大人向けに作られたお子様ランチは「大人様ランチ」と称されることもあるけど、この呼称を使わなかったのはケットシーに向けた言葉としても正しくて良かったと思う。あと単純に私は「大人様ランチ」って言葉が嫌い。

 ケットシーが次の進路として料理人になったっぽくて頭脳がもったいね~!!と思っちゃったものの、別に今後料理人になると明言されたわけではないし、受け取る側から歪んだ与える側へ、そして正しく与える側へ変わったってことだと感じました。



 で、最後に急にキュアプレシャスが出てきてお子様ランチを作る回。
 これは映画だと恒例なのかな。賑やかだったし、ちょっとしか観ていなくて話の筋も思い出せないスタートゥインクルの面々も顔を見ると思いだすんだな~と思った。
 本編後に子どもたちに笑顔で劇場から帰ってもらうための挿話なのかな、という印象。
 冬映画も観てみようかな。こっちは過去のプリキュアも登場するんだろうか。



 総合的にみてかなり大満足。65分の短さからどこまで出来るかと思ったけど、映画らしい賑やかさもゴージャスな見せ場もあって、今後のプリキュアコンテンツも追いかけていきたいと感じる素敵な作品でした。


○余談

 仮面ライダーもそうだけど、子ども向け作品の劇場版はなるべく子どもがいない時間に行きたい。
 子どもが声を出したりするのは気にしないとはいえ騒がしすぎない方が嬉しいし、子連れじゃない人間がいると親御さんが警戒するかもしれないのでその辺の都合。

 というわけでなるべく子どもが少なそうな時間、レイトショーとかで行くつもりで時間を調べたらさすがに21時スタートの回はなかったです。これは私の住んでいるところが田舎だからかもしれないし、プリキュアだからかもしれない。

 上映時間の中では一番遅い18時台で取ったけど、子ども連れと大人のみは半々くらいだった。
 最後のプリキュアがいっぱい来るシーンで「もっとヒーリンぐっどな感じにしたい!? でも、そんな都合よく…」みたいなことを言っている時にシアターのどこかからお子さんが「(ヒーリンぐっどなプリキュアは)いるよ!」と叫んでいてウケた。そうだね、いるね。

 あとは私の手前側の席で途中メチャクチャ光が見えて、親御さんがスマホいじってる!?と思ったけど良く見たらお子さんが特に関係なくおもちゃを光らせているだけだったのも面白かった。楽しそうで何よりです。