るーむ私記

プライベーーートなブログです

【Seraphic Blue】出会えた幸と不幸は闇の中(私記)

自分のオタク性の話をする時に切り離せないのが宗教とSeraphic Blue(セラブル)です。後者について、一度ちゃんと話しておきます。

知らない人向けなのでネタバレはほとんどありません。

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Seraphic Blueとは?:カルトな人気を誇るツクール製フリーゲームです

wikipediaが詳しいのでそこに譲っても良いのだけど、一応私も話します。

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Seraphic Blueとは、2004年に発表されたRPG製ツクールゲームです。作者は天ぷら(榊)氏。

通常版とディレクターズカット版があり、ディレクターズカット版は現在公開されていない(後述)。

既存のRPGツクールのシステムをほぼ使っていないのでプレイ感は他のツクールゲーとは大きく違い、バトルはターン制ではなく敵の歯ごたえが強め。用語・キャラクター図鑑が整備されているなど、重厚なストーリーを支える基盤がしっかりあるのも特徴。

ストーリーはかなり重く、敵を惨殺して鬱憤晴らしするレイク・記憶喪失ながら深いリストカット痕を持つヴェーネを筆頭に、序盤から人を選ぶ内容が多い。

プレイ時間は50時間超、うち最初の15時間くらいは特に面白くもない&そもそもオープニングが終わってキャラを動かせるようになるまで1時間くらいかかるという致命的な欠点もあり、プレイするハードルはだいぶ高い。

エンディングのカタルシスこそ強いものの、万人受けはしないし気軽には勧められない作品でもある。私はそういうとこ好きだよ。

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なんで好きなの?:私の中二病世界観と一致したため

多感な時期にセラブルを食らったせいで原点になった、というのがまず大きい。

加えて言うと、私は6歳の時から人類の救済に強い興味を持っている。いわゆるセカイ系が流行した時期と重なったのもあり、人々をどう救うか、みたいな悩みをずっと持っている。

そこにSeraphicBlue。

救世の天使の物語。

当然刺さる。

初めてプレイした時にグッときたのはヴィルジニーで、無機質で無感動な戦乙女の姿には心からときめいた。今もかなり好き。フョードル&ハイディコンビも萌え。

ただやっぱりヴェーネ・アンスバッハが本作の魅力の大部分を担っている。ネタバレを避けると彼女の人間性について一切言及は出来ないものの、私の心臓には彼女の苛烈な精神と同じ形の火傷がある。

出会えた幸と不幸は闇の中

SeraphicBlueがなかったら私は……みたいなことを言いたいんだけど、そもそもSeraphicBlueと出会ったのが年若い頃で、出会う前から人類救済の悩みは持っていたので、どこからどこまでSeraphicBlueの影響なのかが分からない。

私はジークベルトが好きで、やり方がヤバいのは事実として彼の言い分にある程度は共感している。

これはただの可愛い猫(いらすとやより)

彼の極端な行動を若い時分に知ってしまった上、特に反論が湧かなかったのは明確に本作で得た悪い影響だとは思う。

現実問題、ジークベルトと同じ状況に立たされてもああいうことはしないものの、現実にあるさまざまな教育ってアレをマイルドで倫理的にした形だよな~と思うことはある。そういう考え方をするのはあまり健全ではないと感じる。今思うと反出生主義みたいな話も出てくるし。

とはいえSeraphicBlueが優れた作品なのは事実で、出会わない方が良い人生だったかと言われると確実に否。

私が元から持っていた救済への悩みに対して一旦のアンサーを出してくれたのが本作だったことは、反倫理的なものからアンサーを受けて人生が終わらずに済んだという意味では幸せだし、それはそうと本作のインモラル要素からアンサーを得てしまったという意味では不幸でもある。

もっと卑近な話をすると、私は10代のうちのゲーム体験のほぼすべてを本作に費やしたので、同世代のゲームをするオタクと一切話が合わないので不便は感じている。

RPGツクール製の名作フリーゲームといえばIb・らんだむダンジョン・洞窟物語と来るわけですが私にはSeraphicBlueしかないんだよ。

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消滅したディレクターズカット版:犯人は私です

結論から言うと、ディレクターズカット版が消滅した原因は私です。

時系列に沿って説明すると、本作の無印版が公開された2年後、2006年に、ディレクターズカット版が公開されました。

ただ、無印版からボリュームアップしたせいで、フリーゲームの配布に使われるwebサービスの容量制限に引っかかる。そこで、maglogというブログサービスを利用して分割配布することになりました。

そのまま時は流れ、作者の天ぷら氏の表立った活動もなくなった2012年、maglogのサービス終了が発表されました。

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サービス終了後は全データが消滅するため、ディレクターズカット版の親データも消えます。

しかし天ぷら氏からデータの移行先等の告知がないまま時は過ぎていきました。

……という流れを見ていて、普通に誰かが許可取って配布するっしょと思っていた。

しかしなぜか誰もそれをしていなかったため、私が天ぷら氏にコンタクトを取り、配布の許可を取り付けました。

これで全部丸く収まったと思うジャン?

2021年に、急に配布を終了しました。

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多分どこかで配布している方はいる……と思うんだけど私は知らない。少なくとも、公式に(天ぷら氏の許可を得て)配布しているサイトは存在しないと思われます。

配布を終了したのは私個人の事情で、それはもう仕方ない。諦めてください。

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おしまい

いかがでしたか?皆さんも自分しか好きじゃないゲームの話を早口で語ってみてはいかがでしょうか?

読みたいので書いてください。