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【感想】ひろがるスカイ!プリキュア:王道成長譚、敵サイドの積み上げ描写も好印象◎マジェスティの扱いに疑問はあるものの良作

ひろがるスカイ!プリキュア 感想です。

  これまでのプリキュア視聴履歴(折り畳み)   
【リアルタイム視聴】
2022年~2023年:デリシャスパーティ♡プリキュア
2022年:劇場版デリシャスパーティ♡プリキュア 夢見るお子様ランチ
2023年~:ひろがるスカイ!プリキュア 2023年:劇場版プリキュアオールスターF
【後追い視聴】
2023年~:ヒーリングっどプリキュア(視聴中)
2023年:映画HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア オールスターズ

「ヒーローガール」の王道成長譚

本作の発表当時こそ「主人公が青で異世界人」「男性や成人のレギュラープリキュア」などの斬新な要素が話題になりましたが、蓋を開けてみれば、50話を通して語られたのは爽やかな王道成長譚でした。

何よりヒーローを志す主人公、ソラ・ハレワタールのまっすぐな性格が気持ち良い。
ソラシド市に来てから日本語を徐々に習得する実直な努力家。序盤こそ異世界人らしい振る舞いでましろを振り回すところもあったけど、ソラシド市での暮らしに慣れてからは大きな問題もなく、ヒーロー(プリキュア)として日々努力する姿が美しい。

もちろん良い所ばかりではなく、ヒーローとして人を守りたい気持ちが先立ちすぎてプリズムとの足並みが揃わなかったり、シャララ隊長のランボーグ化で不安に囚われてしまうこともある。
そういう面もソラの思慮深さを引き立てていて、終盤のスキアヘッドとの対話に繋がっているので非常に良い。

成長するのはアンダーグの面々も

ましろは絵本作家、ツバサはスカイランドの博士にと、各々の成長が見えたのも嬉しい。
あげはは成人・保育士で夢が変わっていないので成長要素が見えにくいけど、一人で抱え込む悪癖の改善などがありましたね。

そして、成長を見せるのはプリキュアたちだけでなくアンダーグ帝国からの刺客たちも同じ。

特に変化・成長が色濃く描かれたのはバッタモンダー。

負けると口汚くなる素行の悪さ・シャララボーグをけしかける悪質さが、主にましろとの交流によって変化し、最後はスカイランド民を助けるための行動に繋がるのはかなり良かった。

カバトン・バッタモンダーは敗北して以降、ミノトンは最初からソラシド市と馴染んでいたことから、アンダーグ帝国サイドとも手を結べることが陰に陽に提示されていたこともポイント。
幼少期のカイゼリンの主張は子どもじみた綺麗ごとではなく、現実的にありえる融和だ、とする着地点が自然なものと受け取れたのは、彼らがソラシド市で生き抜いたおかげだと思う。

ミノトンがランボーグ浄化拳を手に入れた事情が「鍛えたら光った」だったり、その裏でマジで一切の説明なくカバトンもランボーグを浄化できるようになっていたりと、多少の無茶はあるけどそれは別にいい

スキアヘッドが愛しているのはカイゼリンではなかった

アンダーグ帝国の面々がソラシド市で人々と交わり、融和していくのに対して、スキアヘッドは何一つとして変わっていない。
昔から狙いはただひとつで、カイゼリンを愛しているという言葉は嘘、キュアノーブルへ抱いていた憎しみも嘘。そう知った時のカイゼリンの絶望の深さは計り知れない。

私はスキアヘッドがかなり好きで、感情が見えず淡々としているところを特に気に入っている。それにしてもランボーグをけしかける時が淡々としすぎていない?という疑問に作中で答え合わせがあったのも嬉しいところ。

ダークヘッドとして正体を現したスキアヘッドがこれまでの理知的な雰囲気を捨て去って【力】を振るうばかりの蛇になり、感情をむき出しにする姿はどこか浅ましくて、プリキュアの力強さが際立つ。

最終話でもスキヘッドの掘り下げはなく、プリキュアの魅せ技の前に浄化されて終わり。

これだけ? と呆気ない気持ちもありつつ、スキアヘッドの考えを念頭に置けばこんなモンで良いのかもしれない。

最終話をスキアヘッドをどうこうすることより、カイゼリンの自立やプリキュア達の旅立ちに振ったのは英断だったと思う。結局私が観たいのはそれなので……。

最終話、空が広がっても

平和が取り戻された世界で、ソラ・ツバサ・エルはスカイランドへ帰ることに。

個人的にはカバトン・バッタモンダー・ミノトンはソラシド市で暮らしても良かったのでは?と思うのだけど、カイゼリンが楽しそうだったのでそれは良かった。

別れを割り切れないましろの表情の細やかさや、「寂しい」と言葉では言わなくても随所から感情が見て取れるあげはさんが切ない。反面、年齢が低めのツバサ・エルは未来への期待感が強いのも、それぞれの思惑が見えて楽しい。

前半はバトルの気迫に、後半は丁寧な別れの描写の積み上げにボロ泣き。スキアヘッド周りのエピソードの強引さを補ってあまりあるラストでした。

ウイングの変身が大好き

変身バンクは全員常に可愛く、可愛さの方向性が違うのが魅力的。

プリズムはあざとさすら感じられるような愛らしさで、バタフライはコロコロ変わる表情のめまぐるしさに目が離せなくなる。

スカイは可愛らしさはもちろん、ヒーロー的な格好良さも見え隠れするのが好き。特にバンク後半で、左肩からデコルテを通って右肩を撫でる一連の仕草の時の表情が可愛いのに頼もしくて大好き。

プリキュアが増えてからはバンクシーンもところどころ省略されるようになるんだけど、このシーンは抜き出されることが多かった気がして、やっぱ渾身のカットなんですねぇ!と思った。オタクの勘違いだったらごめん。

ウイングの変身では、名乗り前にウイングが胸を拳で叩くシーンがある。
初見時は男の子っぽくていいんじゃない、くらいの温度感だったけど、後にスカイランドに渡り青の護衛隊が登場すると、その動作が青の護衛隊の敬礼にあたることが判明。


気付いた瞬間めちゃくちゃ気持ち良かった。確かに一番身近なナイト像といえば青の護衛隊だよな~!!

マジェスティの描き方は疑問

キュアマジェスティの扱いは引っかかった。

キュアマジェスティがエルの変身姿だと(ソラたちに)明かされた後、プリズムらはエルの身を案じ、マジェスティが戦いに出ることに反対するようになる。

これは序盤のスカイ―プリズムの対立の焼き直しで、作中でもプリズムがそれを思い出し、マジェスティの意思を尊重するよう翻意することで話は決着する。

プリズムの精神的な成長譚でもあり良い話っすね、と思わないこともないけど、大人になった私としては違和感が強い。

プリキュアは「元の人間が変身したもの」なので、マジェスティの本質はエルの方にあると思っている。
マジェスティに変身すればスカイらと同年代の姿に変わり、身体能力はプリキュア相当・言語能力は見た目年齢相当になるものの、あくまで精神の主体は赤ちゃんのエル…というのが私の考え。
赤ちゃんが、赤ちゃんの意思で戦うと言っても保護者は戦わせるべきではない。そういう理屈で、私はマジェスティの加入には否定的な見方が強い。

とはいえ難しいのが、私が5歳前後の女児だったら、ほぼ間違いなくマジェスティにロマンを感じていたこと!
自分より下の年齢の子が、変身によって成長した姿で戦う…女児の変身願望の諸々をくすぐる素晴らしい仕組みで確実に心が躍る。大人の自分と仮想の自分(女児)の言い分が真っ向から対立する形で、エル・マジェスティ問題については非常に難しい気持ちになる。

ついでに不満を言うと、終盤でエルが平素からマジェスティの姿を取れるようになるのは王様たちが可哀相。子どもの成長を見守る権利を奪うな。

とはいえプリンセス感の薄いゴツめのイヤーカフを着け、スカートの後ろ側に星をひとつだけ輝かせるマジェスティの逞しいファイトスタイルはかなり良い。
そ変身状態でウイングと並ぶとマジェスティの方が長身なのも萌え。

NEXT>わんだふるぷりきゅあ!の可愛さが魂を垂直に貫く

来週、2024年2月4日からは新番組「わんだふるぷりきゅあ!」が開始!
現時点での情報は公式ホームページ+予告映像しか見ていない状態ですが、一旦今のところの気持ちを書いておきます。

キュアワンダフルが心から可愛い

まずもって心底かわいい。

私がプリキュアデザインで特に好きなのはグレース(ヒープリ)・プレシャス(デパプリ)で「しっかりめのピンク色」「ふわふわのロングヘア」あたりの要素がかなりツボ。
ひろプリはデザイン的に刺さるキャラはいなかった(好みに一番近いプリズムも色合いが淡いので)ので、そのぶんもあってワンダフルの可愛さが魂に突き刺さる。

特に予告編、ワンダフルの変身後の名乗りシーンっぽいカットで手を胸の前にやって犬かきをする動作(伝わるのか?)がメチャクチャ可愛い。

そうか、私ってこういうのを可愛いと思う人間だったんだな……と新鮮な気持ちもある。

「ペット」と飼い主のバディにも注目

現時点でHPに掲載されているのはペット&飼い主コンビなので、バディ感が強くなるんじゃないかと期待している。
哺乳類ペットの定番・犬と猫が既に出ているので、追加戦士がいるなら何になるかも楽しみですね。キリンとかどうですか?特別な認可なく飼育できる最大のペットですよ!
現実的な路線で言うハムスター系が有力かな。あとはインコとかも良いと思います。爬虫類が来て欲しい気持ちもあるけど、メインターゲット層(女児)を思うと難しいかな。

地味に気になっているのが、妖精っぽいものが妙に多いこと。

妖精系って多くてひとり1体(ヒープリ、デパプリ)、少なければ1作1体(トロプリ)だと思っていたけど……多くない?どうした?

敵はどんな感じ?

予告編で言うところの「気持ちががるがる~しちゃった子」が毎週のバトル相手になりそう。
バトル相手自体はペットが変質した姿で、バトルを通して気持ちを落ち着かせる感じかな。

敵幹部たちがどういう方向性になるかは興味がある。
「敵がペット(動物)」「気持ちをがるがるさせる」あたりから考えても色々思いつく。
動物をペット化することに反対する勢力というのも思いつくけど、その辺は現実においても†思想†の問題で、安易に敵にするのは難しそう。
狂犬病のような病原存在かと思ったものの、ヒープリとの被りを感じる。とはいえヒープリは4作前だし、そのくらい離れてたら被っても別に良いかも。
もっとシンプルに、ペット・動物と思想的に対応しない敵の可能性もある。全然わかんねえけど敵幹部の存在感もプリキュアでは大事だと思っているので、かなり楽しみにしています。