魔女百2の感想です。
魔女百2・無印のネタバレを含みます。
プレイ状況:エンディング全回収、ノ―トリアス全撃破、トロフィーコンプ未達成
アップデート済、DLC未購入
プレイ時間はスタート~バッドで39時間
● 世界観
前作がミデア、本作はケヴァラというのが惑星(と呼んでいいのか)の名前。
魔女の立ち位置や魔女病の存在など世界そのものが違うのでそういう意味での差はありますが、ダークファンタジーという世界観そのものは変わらず。
なので、中世ダーク感が好きな人はハマると思う。
今回は前作におけるプリマヴェーラ学園編のように、数多世界を移動するのではなく数多世界からはみ出たひとつの世界の中でだけ話が進むので、その点において作品全体としてのまとまりは良くなったと思います。
●システム
アイテムは所持数に限りあり、ただしDLCで緩和可能。
戦闘の面は後述しますが、アイテムの入手そのものは購入・ドロップいずれの面でも難しいわけではないので、使い果たしてしまっても次のボスまでにある程度補充は出来ると思う。最大数までとなると厳しい面もあるかもしれない。
ただ、最大所持数が多くはないので、せっかくドロップした回復アイテムを拾うことができない…という場面は多かった。拾えないたびちょっと残念な気持ちになったり、他のドロップアイテムが近くに落ちているときに操作の加減で拾えないものを拾おうとしてしまってイラっとすることはあったので人によっては大きく減点する場所かも。
持っていける数が上限ありで、お城に備蓄できる…という形だったらもっと良かったかもしれない。そしてお城に溢れかえる。
ストックストマックは前作と比べてはるかに改善されていて素晴らしかった!
前作はマップの随所にあるストマックストーンを使うことで容量を増やしていくのと、本作で言うオペタイムで何の得にもならないガーベッジが溜まってしまうシステムでしたが、今回はレベルで容量増加+ガーベッジ無しで、ノンストレスで出来た。
ストックストマックの容量はレベルアップで増えるけど、実際に増えるのはストマックを見た時だったのはどういう意味だったんだろう。いっぱいになってしまった!→何か消化しようとストマック見る→上限解放ヤッターという感じだったので、そこまで不便ではなかったです。
オペタイムも良かったと思う。
ノ―トリアスやボス前にあえて雑魚と戦ってオペタイムすることでAP200の状態から戦闘できるようになるのはチート感があってよかった。
五発目を当てたらL1ボタンというのもそこまで負担には感じなかった。最悪敵が2体いればオペタイムできるので、APが欲しい時にどうにかしてオペるのも楽しかった。
拠点は買い物・拠点でのミニイベント・強化その他ということでここは前作のスタイルを踏襲(店の位置すら同じなのか…)。
拠点でカロリー回復は前作同様だけど、今回は第三の眼もフルチャージになるのが嬉しかったです。ボス前に拠点に一度戻る、が定番の流れ。
店の使用感は前作と同じ。拠点イベントも同様。
拠点でのミニイベントはメインストーリーの合間にちょっとあるだけで物足りなさはあったけど、登場人物が最低限で仲良しというわけでもないからあれ以上本筋に絡まないイベントは作りづらいんだろうな…という感じ。諦めどころですね。
武器錬成については錬成そのものは複雑ではなかったけど、操作感はあまりよくなかった気がする。
L1とL2と左右ボタン全てに何かが割り振られていたので、間違えて動かしてしまうことが多々…これは装備とスキルの面も同じく…。
百騎兵が今装備している武器が分かるようになっているのは良かったし、どのファセットかわかるようになっていたのも良かったけど、どのファセットなのかが見づらいかな? という感じはある。
ただ、あのアイコンは可愛いのであれはあのままであって欲しい。
武器・装備関係はスロット数は前作と同じ。
装備の入れ替えや外すのがすごくスムーズになっていて感動した。前作、入れ替えるたびにローディング入ったからね…。
付け替えの手間は多少あったけど、そこまで大きいネックではなかったと思います。
スキルも特に言うことなし。レベルを下げることにデメリットが一切ないので、ワンプレイ中に戦略を変えることが出来るのは楽しかったです。
ファセットは、3つセット可能というところは前作を継承。
異なっているのは、メイン・サブの差がなく、カロリー等のリスクもなくいつでも切り替え可能であるという点。
そのため、攻略中に「明らかにファセットをミスって進むのがつらいからしぶしぶ戻る」みたいなストレスがなくなりました。最高。
ファセットのパワーバランスについてはシノビ・ザ・アサシンがやや不遇? ただ、攻略サイトを見ていてもパワーフォートレス・ノーブルラプターあたりが人気が高いようだけど一強にはなっていないのは良いところですね。
前作と比べてなくなったシステムはアニマとカルマかな。カルマは名前としては出てくるけど、扱いはまったく別物。
ただ、どちらも割と前作時点で活かしきれていなかったシステムではあるので、無くて不満ということもない。
なくなったといえば家屋の乗っ取りも無くなりましたね。あれもアイテムが手に入る程度だったので、前作でいらなかったものを削ったという印象です。
●ストーリー
前作と比べて、魔女より人間に寄っている話。百騎兵の主もアマリエだしね。
その分どう変わったかというと、感情移入はしやすくなったと思う。チェルカも魔女的な傲慢さはあるけど共感能力はあるので、自由悪逆を掲げるメタリカよりはよほど人間味がある。
話そのものは数多世界を行く前作よりもコンパクト。多分総プレイ時間も2の方が短いんじゃなかろうか。
その分目的が分かりやすいというか、「どうして今こんなことに?」みたいな謎展開は少なかったと思う。前作で言うと過去編とかプリマヴェーラとか。あれはあれで好きだったけど。
コンパクトになった弊害としては、キャラの掘り下げが薄くなった点。
特に白衣の女神らについては分からない部分が多くあって、もっと知りたかったのでそこは残念だった。
前作だと本編で死亡後に数多世界での可能性を見ることが出来たけど、本作では死亡後は出てこない状態だったので寂しかった。
具体的には「フランチェスカとテオドールの出会い」「ゾフィーの過去をもっと詳しく」「潜伏魔女だったころのプリム、覚醒直後のプリム、チドリと出会うプリム、アティスを踏むに至った経緯」あたり。プリム多いな。
好きなシーンは最後、ランダによってケヴァラが何であるかが判明するシーン。
『魔女と百騎兵2』が前作の数多世界と地続きだった、その数多世界のひとつの選択がこれだった…というところが衝撃的で快感。
百騎兵も、人形にニケが宿った形で正しい=無印と同一存在だったということで、そして最後にモノ言わぬ人形としている、ということは…また別の数多世界に…つまり魔女百3が…。ディスガイア並みに続いてくれ。
無印でも母と娘の構図はあって、それがここでもランダとケヴァラの民というところで出ていて好き。
結構母性が随所に出る感じですよね。母代わりのアマリエと護られるミルム、無条件で庇護するプリムと無条件で信頼を置くアティスとか。
そういうところにも無印との「続き」を感じてよかった。
●キャラクター
アティスがウザいくらいで、嫌いだったり嫌だったりというキャラはいない。貴族は結局何だったの? というくらい。ただの一般人でいいんですよね?
何度でも言うけどもっと掘り下げは欲しかった。
一番好きなキャラは誰だろう…リサかプリム?
ガブリエーレも捨てがたい。自分の感情や欲望に素直で、そのためであれば道を外れることを厭わないところが好き。
アマリエはその辺、人道を捨てなかったからね…ミルムを前にした時のヘラヘラした笑顔が可愛いからよい。
●マップ・攻略
マップはひと目で見やすくなっていたのと、道として繋がっているのが前作との違い。フレーバーテキストも良い。
一枚にすべてを収めている関係上道その他が小さめなので、その点だけ注意。
未踏破だとマップが暗いままなので、新しい目的地へ道が繋がっているかどうかを見るのはストレスだった。
ダンジョンというか、実際に踏破している時に気になった点としては、遮蔽物が多かった点。
森では筒状の倒木の中を通り抜ける・荒地では岩のアーチのようなところで、一秒程度とはいえ見づらくなるシーンがあったのは不便でした。
ほかにはマップを切り替えた場合、既に行ったことのある場所でも右上のミニマップが完成するわけではなかったのは不便だった。間違って移動してしまった場合とか、来た道を戻る時にどう行けば良いのか分からなくなる。
そのうえで曲がりくねった道や長々歩いたうえでの行き止まり(強めの敵がいる)があることも多くて、無駄足を踏まされている感じはあった。
敵の配置については同じような感じだったので、敵の位置と種類を予想して準備を立てることが出来たのは便利な点。退屈だと思う人もいるかもしれないですね。
アイテムドロップ・宝箱的な話をすると、序盤でもレジェンダリーが手に入るのは嬉しい。
宝箱は固定かな? ドロップは武器系はランダムっぽいので、どこで何が落ちるか分からないところが楽しみだった。
レジェンダリーは確かにレア度は高いけど、最初からバッドまで通して手に入ったレジェンダリーが武器10・骸布4・護符3だったので、装備をレジェ尽くしのラグジュアリーもそんなに難しくはないと思う。
●トロフィー・やり込み要素
コンプしてない身で言うのもどうよ、という感じはあるけど、これもそんなに難しくはなさそう。
普通にプレイしていて100いくことはないと思う。ただ、著しく労力が必要かといえばそんなこともないと思われる。
逆に言えば、それだけやり込み要素はないですね。その意味では無印の方がやり込みはあった感じ。
ドロップ、手に入る武器が大きく変わると操作感は大きく変わってくるので、その点で周回でも飽きはしないと思います。
●音楽
魔女百の世界観! という感じ。無印と同じ楽曲もあった? アレンジ?
あまり色々は話せないけど、雰囲気があって良かった。あとはクリア後のスタート画面のBGMが変わるのも気持ちよい。
●総合評価
前作を知らないと終盤の展開で置いていかれるかもしれないので、前作プレイは推奨。
ストーリーも前作より整合性が取れて分かりやすくなっていて、長編としては短めに終わる感じになっています。
ストレスなくできるのも高ポイントなところ。暗い雰囲気のアクションで、世界が関わってくるけど重すぎないストーリーなのでお勧めしたい作品でした。