るーむ私記

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【感想】ドアを開ける短いゲーム

 ドアを開ける短いゲーム 感想です。

 無課金、本編内のディライトで開放できるものはおおむね開放(すべてではない)。
 プレイ時間は2時間30分くらい。途中稼ぎをやったり道に迷ってウロウロしたりもしたけどかなりコンパクト。

 元々作者の方が好きで、作者の方への思い入れもあってかなり良かった。
 作者の方はたぶん15年くらい追ってる。高専時代の俺式2.0、ジェネトス、卒業する先輩に野菜の花束を贈った話、青いものだけ食べるチャリの旅、肉まんに全てを内包させて最終鍋の〆にぶっこむ奴とか好きだったな~と思いながら遊んでいたのでそういう意味で感慨深くもある。
※私は作者の方とまったく面識はなく、一方的に知っているだけです

 絵本や児童書のような穏やかな雰囲気と物語を前提としつつ、たまにはシリアス。ただ原則としてはビジュアルやゲームを始めて数分のところで感じ取れる雰囲気が全てなので、良い意味で安心感はある。

 シンプルな作風もあり特に不満はない。
 ちょっとゲームをしたいけど質・量ともに負荷はかけたくない時に強くお勧め。

 以下詳しいレビュー。
 ストーリー部分はネタバレがあります。

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●システム


 やることはかなりシンプルで、歩いておかねとディライトを集めてドアを開けて進む。
 途中でショートカットキー・ジャンプ・紙飛行機一定時間でおかねやディライトが生まれる場所があったり、ネコが隠し要素としてあったりはするものの、そこまで複雑な要素はない。

 個人的にショートカットキーを使った時のキュイン!ってなる移動が気持ち良くて好きだった。

 死亡や残機の概念もなく、落下すると直近のくぐったドアからやり直しになる。
 ペナルティはない。それどころか時間湧きするおかね・ディライトが再発生するので、ほどよいところで落下したほうが何なら効率的かもしれない。

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 セーブ・ロードのスロットは一つだけ。なのでスタート画面には何もなく、スタート画面を押すと自動でセーブされたシーンから開始する。
 セーブ自体はドアをくぐった時に行われる。新しいドアじゃなくてなんでもいいからドアで、ドア自体は割とどこにでもあるのでセーブしたくなったらすぐできる。

 移動は画面右側をスワイプ、カメラの位置変更は画面左側をスワイプ。
 この手のゲームではよくあるタイプだと思う…けどあまりこの手のゲームをやってこなかったので最初は難儀した。これは私の問題ですね。

 紙飛行機は苦手だった。
 使わないと進めないシーンがごく少ないからいいんだけど、狙った方向に飛ばすのが難しかった。あとはカメラの位置変更をしようとして飛ばしちゃったりとかもちょっと嫌。
 ただ紙飛行機を飛ばすこと自体にコストはかからないので、感じるストレスは最小限にとどめられていてそこは良かったです。

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●ドアを開ける

 ドアを開けるにはおかねや鍵が必要。

 中盤以降、具体的には都会っぽいエリアに入ってからは要求されるおかねが増えてくるので稼ぎも必要。とはいえこの頃にはディライトが溜まって金脈も見いだせるようになっており、稼ぎに延々時間を使う、みたいなことはないと思う。

 ちなみに私が一番詰まったのは、迷路を抜けた先にあるドア。
 迷路は迷路の壁上部にもおかねやディライトがあるんだけど、それを取るためには動くブロックを動かして、壁の上にうまいこと乗る必要がある。
 このブロックを動かすのが嫌いで壁上部を全部スルーした結果金欠に陥ってしまった感じ。

 しかもこのドア付近の方が「ここまでおかねを稼いできた君なら開けられるだろう」みたいなことを言うので、開けられね~~~ごめん~~~と思って申し訳なかった。
 このシーンから稼ぐなら迷路を再踏破するより広場まで戻った方が楽なので、そこの移動に手間取ったのもある。といってもそんなに時間を食ったわけではないですが……。

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●ストーリー(ネタバレあり)

 ほのぼのとした雰囲気だけど、別に都合の良いお気楽世界というわけではなく、目的を果たすにはおかねが必要だしディライトを集めた方が有利に働く。
 その他の人々も含蓄がありそうなことを言うので、プレイする人によって見え方や感じ方に変化はありそう。

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 男の子と女の子の分かたれていた物語がひとつに収束して、最終的に二人で目的のドアを開ける。
 二人の関係性や事情は割と推測できる範囲。とはいえその辺を推理するゲームではないし、分かったからといって面白さは損なわれない。

 二人が合流したらもうあとはドア開けて終了、くらいの方が私の好みにはマッチしたかな、とは思ったもののマイナス要素はその程度。
 最後はウルっときた。すごく爽やかで、気分の良くなる終わり方だったと思います。

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 音楽もBGMについては作者の方の自作。ピアノ曲がどこかにあった気がするんだけど、それが好きだった。
 哲学的な内容ではないのに人生を考えたり振り返ったりしたくなる、それでいて穏やかな良いゲームでした。万人にお勧めできる作品だと思います。

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