ボーイズラブ(BL)の話でもするか。
*二次創作的な言及があります。具体的な作品名とカップリング名は伏せています
私のBL遍歴:女の園で薔薇を探すか薔薇園で好みの花束を作るか
男性同士の恋愛が一大ジャンルになっていると気付いたのは確か中学1年生くらいの頃、クラスメイトの腐女子から聞いた話だったと思う。
ただ当時は男性キャラクターの魅力がよく分からず、そういうのもあるんですねえ……程度の認識だった。
BL作品を避けるでもなく視界に入ったら見る温度感だったけど、大学生の頃に知人を通してインディーゲームのカップリングに興味を持ち、BLの二次創作を始める。
ゲームのメインキャラが女性に偏っている作品での数少ない男性キャラクターで、カップリングを組みやすい二人ではあったと思う。
二人のバックボーンを考えると、当時は面識がないなりにニアミスはしていた可能性が非常に高く、その辺に掻き立てられてエロい二次創作をしていた。
該当作品は現在は削除、手元にデータも残っていません。同人誌の在庫もない。
当時はよく書けたと思ったし同じカップリングが好きな人からも喜んでもらえたので、書いた意義はあったと思う。
この辺から、BLが分かるようになりたくて商業BLをたまに買うようになる。
書店で単行本を見て、興味が出たら買っていた。今思うとonBLueとか買った方が良かったのでは?
何冊か買ったはずだけど記憶には残っていない。ヤマシタトモコ「薔薇の瞳は爆弾」は気に入ってヤマシタトモコの刊行作品はほぼすべて買った。
ただ氏の作品で一番気に入ったのはBL作品ではない「ひばりの朝」なので、やっぱりBL適正がすごくあるわけではないんだな、という感想。
その後女性キャラクターが多いソシャゲの男性キャラのBL二次創作・男性キャラクターが多いソシャゲのBL二次創作にハマり、同人誌も出している。
前者はプレイヤーキャラとサブキャラ的な立ち位置の二人組で、元の作品に名前のある男性が少なかったのもありこの作品でBLをやるならこの二人しか無いだろうという感じ。
後者はBL土壌が豊か(オタクが勝手に耕しただけとも言う)、気になるキャラクターの名前でちょっと探せばBLに行きつく。作品に興味を持った当初はカップリングにこだわらず色々見ていたけど、徐々に自分の中で強い感情が湧く組み合わせがあることに気付いて、それ以降は特定カップリングにだけ注目している。
「女性が多い作品の中の数少ない男性カップリング→ほぼ男性しかいない作品のカップリング」と変遷していますね。
これは良し悪しで、女性が多い作品でカップリングを見出そうとすると選択肢が極端に少ないので、BL的な見方をする人は大体同じものを見ることになる。なのでBLが好きな人たちの中では見解が一致しやすいのだけど、そもそもが傍流も傍流の楽しみ方なので、その作品のメインユーザーからは「なんでこんな所でそんなことを?」みたいな視線を受けることはあり肩身は狭い。
逆に男性が多い作品はBLを見る人は多いんだけど、何を見るかが人によってかなり違う。なので好みが合わない人と出会うことも増えるので、これまでのような「この作品のBLはとりあえず全部見る」が量的にも質的にも現実的ではなくなった。
念のため予防線を張っておくと、どっちが良いとかの話はしていないよ。
好みがわかった:左右固定・社会人萌え・倫理と治安重視
上記の経歴の中で好みの方向性がハッキリして、商業BLも気に入るものを見付けやすくなった。
社会人もの&倫理観が現代日本に即している&特定個人としか性的な接触がない&受け攻め(挿入方向)が一方向で逆転しない作品が気に入りやすい。
前に恋愛漫画について書いた時も思ったけど、私は恋愛ものにあまりドラマを求めていないっぽい。
日常生活の中で起きる以上の事件性は忌避しがち。この嗜好はジャンルを問わず漫画の好みに通底しているので、そういうものなんだと思います。
性描写の有無は別にどっちでもよい。
とはいえ社会人BLが好みに合いやすく、社会人相当の人間二人が恋愛をしているならセックスの話題がある方が自然だと感じるので、描写の有無や分量はともかくとして、性描写はあった方が物語の一貫性が感じられる。
好きなBL漫画3選
BL小説・BLゲームはまったく触らないので漫画でしかBLに触れていないけど、BL漫画も大して読んでいない。以下のラインナップを見て、私が好きそうな作品があったら教えてください。
山野でこ「コミックパーティーワンダーラブ」
陽のBL作家(作品は陰)×陰のBL作家(作品は陽)のカップリング。
作者の同人誌を見かけて、テンポの良い作風の人だな…と思っていたので買った。
これは特に意味がないリンク
BL作家同士であることは特に強く活きてはいないものの、絵が綺麗でギャグとシリアスをちゃんとやっているので得点が高い感じ。
かなり好きで、作者買いしても良いと思っていた時期もあったけど、今は情熱は少し落ちついた。
続編にあたる「コミックパーティーワンダーラブラブ」で雷蔵が性行為を無断で撮影していたのが倫理的に受け付けなかったのと、世界観を共有する「俺がBL漫画のヒロインなんてありえねぇ!」がつまらなかったので、作家単位で好き!ってほどではなくなった。とはいえ全2巻の本作単体で言えば好きです。
虫歯「不死身の命日」
帯のインパクトで勝っている。
明るくて元気な人間は可愛い。
作風がアッパー寄りで、悩みや葛藤もあるけど基本的には超ポジティブだし元気いっぱい。
カラッとラブコメをやっているので癒される。
ymz「ヒゲと鈴としゃぼん玉」
Twitterで誰かが褒めていたので買った。その節はありがとうございます。
日常もので、性描写はかなり少ない。描写は絞っているけど性交渉は存在するくらいのバランス感で、このくらいが一番好みです。
前に挙げた二作と比べても特にドラマ性は薄く、平熱で進む点が好き。
作者の後書きに特筆すべき点があり、そういう意図が!?と思って驚いた。
当初想定していたのがそうだったというだけで、実際に作品として書くうちにそうした想定は薄れた…ということだろうけど、後書きの内容を念頭に置いて読むとまた味わい深い。
本作の雰囲気を気に入った人からするとそういう話を出すのは嫌がる方も多そうだなとは思うけど、私は好きです。