るーむ私記

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【感想】バディミッションBOND:王道の超熱量ストーリー!比較的操作は簡単だからこそQTEの難しさが際立つ。チェズレイが萌え萌え

バディミッションBOND 感想です。

全エピソードをコンプリートしてプレイ時間は42時間。関連作品は一切触れていません。

少年漫画らしいバディ感があり、王道にアツい展開が続くので楽しい。
各キャラの掛け合いも楽しく、コンプはしなかったけど全分岐を見たくなる気持ちも分かる。

捜査・潜入パートはかなり簡単。私はQTEに苦戦したけど、アクションゲームが出来る方ならそこまで苦労しないと思う。

全エピソード解放のために、同じミッションを反復する必要があるのは面倒だった。とはいえ工夫がなされているのは分かるし、可能な範囲で最大限配慮したのは分かる作り。

個人的にチェズレイがかなり萌え。

以下ネタバレあり。

女性向け作品としては珍しい村田雄介の画風が本作を象徴している

バディミの評判は発売後から聞いていて、Switchを購入した2022年春先にはいっせいトライアルがあり注目はしていた。

それでいてクリアしたのは2024年1月とかなり空いてしまったのは、村田雄介氏のグラフィックが独特で気後れしてしまったことが大きい。

私は少年漫画をほぼ読まずに育ったのもあり、村田雄介氏の画風は肌に馴染まない。ビジュアルの誘引力が低く進めにくかったんだけど、なんやかんやこの画風が本作には一番合っていたと思う。

好みが分かれる画風ではあっても、クオリティは高い。
表情や人物造形の幅が広いのはかなり良い。ギャグ顔もルークとモクマさんでは方向性が違い、不美人・肥満・マッチョ・老人・子どもなどバリエーションが豊かで、登場人物の幅が広がると一気に魅力が増す。

UI周りのグラフィックやフォント等も視認性が高かったので非常にありがたい。垢抜けない印象を抱く人もいそうだけど、私は読みやすいのが一番嬉しい。

ストーリー:「絆」「繋がる」をテーマに王道

周囲の人々との交流を通して絆を深め、人と繋がることを重視した作風で、クリア後は爽やかな雰囲気。

作品全体を通す主題はタイトル通り「絆」、そして繋がること。
アッカルド社長との「手を繋ぐ」操作が印象的で、終盤にその意味が分かる展開も圧巻。

エドワードから知らされた真実によって絆を忘れ、ヒーローゲージすら壊れたルークが、それでも再起する流れも、ベタっちゃベタだけどルークらしい格好良さ。
更にその後に判明するルークとアーロンの過去は格別で、ルークがかつてのヒーローだと気付いていたアーロン、ここまでどんな気持ちでいたんですか!?と想像が広がる。2周目でアーロンの心情に注目しても面白そう。
最終ミッションの捜査パートはまさにこれまでの集大成で、各キャラクターのこれからを思わせる仕立てなのが良い。
これは地味にテクニカルで、ここでサブキャラ周りのエピソードを完了させることで、ミッション潜入~エピローグを完全にチームBONDの話に振ることに成功している
本作はヘイトが溜まる悪役が少なく、イアン・フウガ・ファントムなどの悪側の人間も言い分は明らかになる。言い分が明らかでない、人間として問題があるネームド悪役はサワール・ムラムラくらい?
とはいえ優しすぎるわけではなく、融和の過程での違和感やそもそも内戦がある世界観などでバランスが取れている。

ハードな面もスパイスとして◎

ルークが精神的苦境に立たされるシーンが多く、ルークが本来持っていないはずのインモラルな魅力が引き立つ。

もっとも、基本的には明るい雰囲気。だからこそ暗い部分はグッと締めている感じがある。
全体的には明るいテイストながら、内戦の設定やチェズレイが普通に殺人をメチャクチャやっているなどの要素もある。重すぎて嫌がる人もいそうだけど、私はこのくらいあった方が作品世界の手触りが伝わるので好きです
もちろん緊迫感ばかりではなく、ショーマンとして頑張ったりカジノを巡ったりマイカの里で異文化交流を図ったりと、気持ちが和むシーンも多い。バディエピソードにはコミカルな内容も多いので、緊張感を保ちつつリラックスして楽しめる場面もあり、作品全体の雰囲気づくりに貢献している。

キャラクター:多様なバディの組み方ができて好印象、サブバディの関係も良好◎

主人公にルークを据えつつ、BOND4人の活躍に偏りはあまり感じない。むしろマイカの里エピソードはモクマ&チェズレイが出張るので、「こんなにやっていいのか!?」と不安になるくらいだった。
私はぶっちぎりでチェズレイが好き。見た目が好みなのもあるし、ルークのバディエピソードで「あなた(ルーク)をボスと呼んでいるのに私の上に立とうとしない(意訳)」と言いだすところがかなりツボ。

行動基準が法・倫理・道徳ではなく、自身の美学と信念にあるのが好き。ファントムへの暗い復讐心を抱きながらも茶目っ気があり、シリアス一辺倒になりきらないところが可愛い。

モクマ&チェズレイのバディはかなり美味しく、この二人のバディエピソードを見ている時は終始興奮していた。
というか見て欲しいんだけど、そもそもバディエピソードのイラストがこの二人のだけ“““違う”””んですよ。

モクマにこんなシリアス顔をさせるなんて、これは大変なことが起こるぞ……と覚悟してバディエピソードを読んだら本当に全部大変だったのでワロタ。
ルーク&アーロンのバディの良さは本編でも出ている通りで、息が合わなかった二人が徐々に絆を深めていく様子は見ていて胸が温かくなる。
それはそうと、アーロンがルークを「ドギー」って呼ぶたびちょっとドキドキした。
確かにアーロンからすればルークをルークと呼ぶのはちょっと違うんだろうけど、ドギー呼び&口笛でお座りを仕込むのは、本編中での伏線回収とは別に様々な空想が湧き起こる。
ルーク&アーロン、モクマ&チェズレイがメインのバディだけど、そうでない二人にもバディエピソードがあるおかげで、人物の立体感が強い。いわばサブバディとも呼べる組み合わせでもないがしろにせず、捜査・潜入で組ませることができるのもかなり良い。
プレイヤーの考えによって、あえてメインバディを外したり組ませたりと自由度が高くて面白い
チェズレイ好きの私としては、ルーク&チェズレイの時だけチェズレイが人間味のある(道徳的な、とも言い換えられる)態度を取るところが好き。温かい家族を知っているルークに対し、冷たい家族しか知らないチェズレイが家族に抱くような温かい感情を持っているのが癒される。
チェズレイはファントム=エドワードの近くにいた人だから、エドワードもこんな気持ちでルークに気持ちを溶かされた部分もあるんだろうか……と想像が広がる。
アーロンと一緒にいるとチェズレイがモクマのノロケを言い出すのがウケるとか、素直に仲良くできるルーク&モクマが可愛いとか、アーロン&モクマが良い味出してるとか、どの組み合わせでもそれぞれの人物の違った側面が切り出されているのが本当に凄い。

サブキャラにも愛着が湧く。イチオシはマモルさん

スイちゃんがめっちゃくちゃ可愛いのでお勧めです。登場してすぐのツンとした態度の時から可愛らしかったけど、ルークを慕う乙女な姿も愛らしい。

シーンとしては少ないけど、ナデシコさんといる時のスイちゃんは幼さがグッと増して特にお気に入り。若い子が若く、時には青く幼い振る舞いをしているのが私は好きです。

イアンとシキの絆の深さや、外道に落ちたフウガとモクマの確執、ナデシコとモクマの過去など、見所は多い。
加えてBONDメンバーの外にいるキャラクターも一様に濃く、プレイから多少時間が空いた今でもみんなの顔が思い出せる。
名前がコミカルなのも良いんだろうな~。名前で言うとココ・デ・オドレイさんが白眉。そんなことある!?と思ったし、そういう方向の作品ね…とも一発で理解できる良いお名前。
ブロッサムに住む富豪の息子・マモルさんがお気に入り。初登場時は母譲りの価値観だったマモルさんがダイヤモンド級の紳士となる姿を見守りてえよ!

システム:バディエピソードを独立させたのは大発明!セーブ周りは不満が少々

メインストーリー(ミッション)を、一定以上のランクでクリアすることでバディエピソード/サイドエピソードが解放される。
プレイスタイルとしては、ミッションSランククリア→全バディ・サイドエピソードを読んでから次ミッションへ…が推奨される形かな。少なくとも私はこのスタイルで進めて満足した。
バディエピソードはメインストーリーの補完的な役割もある。メインストーリーに組み込んでも良かったんじゃない?と一度は思ったものの、そうすると冗長になる。ファントムを追う物語の縦軸を綺麗に見せるには、分離する今の形がベスト。
そしてメインストーリーと分離させたことで時系列が曖昧になり「大体このへん」の余白に吸収される……そんな同人誌みたいなことしていいのか?別にいいらしい。
このやり方はかなり高く評価している。RPGなどで物語の進行に合わせて解放されるクエストにも近く、ありふれたスタイルだとは思うんだけど、本作ではメインストーリーを高ランクでクリアしたご褒美としても機能しているのが良い。マイカ城潜入をルーク&アーロン、モクマ&チェズレイでクリアするのは厄介ではあったけど、頑張った甲斐はある。
その他のシステムもおおむね問題なかったんだけど、セーブスロットが少ないことは大きく不満。

そもそも各ミッション・エピソードは好きなところをいつでも参照できるので量はいらないとする考えは大いに分かる。分かるんだけど、全ミッションで捜査前&潜入前でセーブしてもなお余るくらいの量は欲しかった。

捜査:キャラクターを知るほど簡単になる楽しい仕様。一部分かりにくいかも

ヒントは露骨に出るので、ここまでの情報を取りこぼしていなければ問題ない。
とはいえ全部を取りこぼさないのは無理なので途中からはメモを取った。それでも抜ける部分はあるけど「思い出す」を使えばおおむね問題ない。

クリティカルトーク対象は基本的に分かりやすい。分からなかったりピンと来なかった部分はあったものの、キャラクターを理解すれば分かるので私の読み落としかも。少なくとも、クリティカルトーク対象が判明してからの流れに納得できないことはなかった。

潜入:QTEめんどくせ~!難易度をどちらに振るかは悩ましいところ

ここだけ3D。各キャラクターの振る舞いが見れるのでかなり嬉しい。チェズレイが優美でハッピー。

ギミックや謎解き要素はあるものの、必要な情報はすぐに参照できるので簡単。情報を集めきっていればそんなに難しいことはなさそう。

私が苦手なのもあり、QTEは苦戦した! 最終ミッションSランクのために最後だけ何回プレイしたことか……QTE直前でオートセーブされるのが不幸中の幸い。
とはいえ理不尽な難易度でもないし、ゲームのストーリーに沿った難度であればOKだと思っているので、そこまで悪印象はない。いやQTEやり直してる時は勘弁してくれ~!!ヒーローゲージ爆上がりで下がらないeasyモードをおくれ~!!とは思ってたけど、そうは言っても15分くらいでクリアは出来たしね。
QTE周りは難しかったけど、難しければ試行回数が増えてプレイ時間が延び、良くも悪くも記憶に残りやすいので使い所としては良かったとも思っている。
QTEを無くしてほしいというより、QTE後にヒーローゲージの挽回要素が欲しかった、の方が私の気持ちに近いかも。ただ、逆にQTEが得意でそれ以外は不得意な人からすればヒーローゲージチャンスだったわけだし……バランス取りは難しいですね。

まとめ:大満足!

アメコミ風の、漫画っぽい演出が盛り盛りのゲームっていいな~!こういうのをもっと遊びたい。
ストーリーはダークさも内包しつつ、全体としては見た目通りの熱さがある。イラストも女性向けとも男性向けとも作法が違うので戸惑ったけど、老若男女の誰もが魅力的だったので嬉しい。
セーブスロット・QTE周りなど改善してほしい点もありつつ、かなり評価は高い。物語をじっくり読むのが好きな人に強くおすすめ!

余談:チェズレイとモクマが萌え萌え

熱量がすごくてびっくりしちゃった♪♪
ルークとアーロンもそうだけど、最初は仲良くできない二人だからこそ、分かり合った時は深みがグッと増す感じで魅力的だった。
チェズレイの、人によって露骨に態度を変えるところが特に気に入っている。
対モクマも二人の関係の移ろいと共に態度がどんどん変わっていく。潔癖なところもあったチェズレイが、最後は素手でモクマと手を繋いだり酒を飲んだりするところは万感の思い。

これは聞き流してほしいんだけど、あまりにも二人がイチャイチャ(誤解を招く表現)するせいで、我慢できなくなってプレイ途中にpixivで二人のさまざまな姿(誤解を招く表現)を見てしまった。これは……萌え萌え!!!!