るーむ私記

プライベーーートなブログです

【映画】LUCY 感想

 映画「LUCY」の感想です
 ずっと気になっていたのですが、なぜか縁がなく観れていなかった「LUCY」。
 実父より面白いとの情報とDVDを得て、ようやく観るに至りました。

 あらすじとしては、「謎の薬品を盛られたルーシーの脳が覚醒する」。
 全体的に駆け足な印象でしたが、置いて行かれることもなく面白く観ることが出来ました。

 大体のストーリーは既に知っていた+トレーラーを観て、「ルーシーはマルドゥック・スクランブルのバロットみたいな感じ」と思っていました。
 自分の身体を支配・他者や他の物品も支配、という面では似通った面が非常に多かったです。
 脳の使用領域広げただけで自分はともかく他の物を支配出来るようにはならないのでは? とは思いますが、バロットのスナーク能力に親しんでいた身としては「そういうもの」と割り切って観ることが出来ました。
 逆に、ここが腑に落ちなければ駄作と思ったかもしれません。

 スカーレット・ヨハンソン氏の演技の移り変わりが観ていて楽しかったです。
 最初は馬鹿で臆病な、どこにでもいるような女性であるルーシー、次いで人間らしからぬ能力を得て不安を抱きつつも行使するルーシー、そして超然とした何かとなったルーシー。
 後半の無敵ヒロインとなったルーシーが私は好きです。クールビューティーは正義。

 カーチェイスも銃撃戦もあって面白いのですが、後に残るものはほぼない映画という感じです。
 テーマが不在というのか、この映画を観た人に何を思って欲しかったのか・映画を通して何を残したかったのかが不明。
 どうしてだろうと思ったのですが、苦悩に関する描写がとにかくないのが理由のひとつかもしれないと思い至りました。
 ルーシーが母親に電話をするシーンも、これまでの人生への決別と取れなくもないのですが弱い。そして、その後は特に悩んだ風もなく八面六臂の大活躍を見せてくれるルーシー。刑事さんや脳科学者さんもルーシーの存在に呆然とはしても何とはなしにルーシーを受け入れてしまって、韓国人マフィアさんも「こんなヤクを生み出さなければ良かった!」みたいなことを言わず(というか、韓国語なので何を言っているのか私には不明)、とりあえずルーシーを殺そうと追ってくる、そして死ぬだけ。
 1時間半もないくらいの映画なので深く掘り下げる間もなく立て続けに色々なことが起こって気付けば終わっている、そんな映画でした。

 難しいことはいいからヒロインが最強の大活躍を見せる映像を! と言われたら黙って差し出したい一作。
 考察する隙間がないと言えば良いのか、隙間がありすぎて逆に考察出来ないと言えば良いのか……中盤以降の映像をぼやっと眺めているのは、何となく楽しそうです。

 あとちょっと気になったんだけど、パリの学者さん方がいる場所でちらっと映った白衣の女性はシャルロット・ゲンズブール氏でしょうか。
 と思って調べて、シャルロット氏のミドルネームが「lucy」であることを知りました。
 いや、本当にどうでも良いことではあるのですけども。