るーむ私記

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【感想】十三機兵防衛圏

 十三機兵防衛圏 感想です。

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 クリア時のプレイタイムは約30時間。トロフィーコンプ率は97%。

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 バトルはすべてカジュアルモード。クリア後解放の住礼区は4-6まで。
koew

 追想編・究明編・崩壊編すべて100%。

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 美しすぎるグラフィックとおそろしく緻密なストーリーにとにかく引き込まれる。
 ストーリーが重厚なのに、1プレイが10分程度と短いのもまた高評価。
 横移動しか出来ない・スチルイラストはほぼ無いなど、切り詰めるところは切り詰めていても見劣りしないクオリティ。

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 ストラテジー制のバトルは最初こそ取っつきにくかったものの、広範囲攻撃での一掃・硬い敵を殴り倒せた時の快感はある。
 スキルにもキャラクター性がよく出ているので、眺めているだけで楽しい出来。

 私個人にロボットへの情熱が一切ないので、機兵をめぐる一連の話そのものにあまり興味は抱けなかった。
 加えてエンディングが好みの問題で気に食わない。破綻があるわけではなく、好みではないという話です。

 それでも断然面白かったゲームなので、少しでも気になっているなら絶対にやった方がいいゲームだと思います。

(以下ネタバレあり)

 項目ごとに色々書いていく前に、前提として「私はロボットものの作品に一切興味がない」ということだけご承知ください。
 ここで言うロボットものとは、エヴァガンダムファフナーみたいな「人が搭乗するタイプのロボ」のこと。これらをロボットと呼ぶことも間違いかな? とは思うものの、そのあたりも含め知らない。
 および、ロボットモノにありがちな「宇宙コロニー」「ロボを生産する会社」とかその辺のものにも疎く、興味もありません。

 つまり十三機兵の作中で語られる本筋に近い部分の大半に興味が持てないわけなんだけど、それでも面白かった。
 ただ、いわゆるロボットものが好きな方からすると的外れなことを言う部分が多いと思いますので、それだけはご理解ください。

● グラフィック
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 ゲーム開始時点、鞍部十郎編を見た時に驚いたのが、グラフィックの美しさ
 光の表現が異常なほど美しい。プレイヤーキャラが動くと当たり前のようにビルの隙間から差し込む光も動いて、時には眩しくなる。当たり前だけど、その当たり前が出来ているということがまず驚く。

 ゲーム業界にまったく詳しくないんだけど、もしかして近年のトレンドは「操作時のグラフィックを底上げすることで、アニメーション演出に頼らないようにする」というものなんだろうか。
 ライザのアトリエもアニメーションが全く無かったし、本作もアニメになることは一切ない。
 それどころか、スチルの類もエンディングにあるのみ。

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 だとしても手抜きには見えず、リッチ感があるのは物凄いことだと思う。

 美麗なグラフィックを最初に突き付けられて、「動かしていいよ」と投げてもらえるのは新鮮に驚いた。
 全景+全身を映す必要がある以上、キャラクターの頭身は低くて顔の造形もシンプル。5頭身くらいなのが可愛い。

 キャラクターは全員モーションが違うのが嬉しいところ。鷹宮の走りモーションでズンズン歩くところが可愛い。前を見据えているのが良い。
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 座り方、考え方もみんな多様で面白い。

 キャラクターの動きが一人ひとり違う分、モーション数は削っている感じがある。
 たとえば歩道橋を上るシーンは、キャラクターが後ろにある歩道橋を見る→場面転換を挟んで、キャラクターが歩道橋の上にいる という風になり、歩道橋を上る際の後ろ姿の歩行モーションは削っている。

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 階段を上下するシーンも、階段の幅と歩幅の調整のおかげで上下しているように見えるけど、モーション的には流用。

 見れば分かるとはいえ、浮かないような工夫が見えたのが嬉しかった。ゲーム的なツッコミ所に対して、最大限の調整があることに愛を感じる。

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 手に持つアイテムは程よくデフォルメされて、現実的なサイズよりは断然大きい。おかげでとても見やすくて良かった。
 大きいソフトクリームとかクレープが見るからに美味しそう。鞍部家でふるまわれるハンバーグの食卓、大きいマヨネーズがそのまま置かれているのが「家」って感じで良かった。

 キャラデザとしては、森村千尋の胸揺れは嫌だった。私は胸揺れに憎しみを抱いているので…。
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 しかし揺れが目立つのは彼女ひとりだし、思ったほど出番もないのでそこは安心しました。
「こんなエロい養護教諭がいるか」と思ったらいなかった。

 追想編のキャラクターが好きなんだけど、逆にリアル調のパッケージイラストの出番は多くはないのでそこは寂しいと感じる人はいるかもしれない。
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 パッケージイラストと同じ画風のイラストは、崩壊編とエンディングで出てくるのがほとんど。千尋が可愛い。

 ただ、崩壊編は序盤はキャラの区別がつきにくくて困った
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 通信という都合上、出てくる人物は全裸のバストアップ+青色。色での識別が封じられるとなかなか困る。

 特に慶太郎・関ケ原、比治山・網口あたりの見分けが最初はちょっと難しかった。いつでも見られるバックログでは常に名前が表示されているので、ちょっと見てはバックログを見返して、の繰り返しでなんとか把握していました。

追想
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 キャラクターを操作して、崩壊編に至るまでのストーリーを進めていくパート
 全13キャラを切り替えながら進めていく形で、序盤と最終盤以外はプレイする順番をある程度は選択可能。

 …こういう「順番は選択可能」なゲームは、進行を考えると後回しにした方が良いキャラが出てくることもある。
 ただ、本作はそういうキャラ(郷登とか)を最初はプレイできないようにすることで、そうした「現状にふさわしくないキャラ」の視点を排していたのが良いところ。

 気になったところがあるとすれば、プロローグ~20%台まではどのキャラも動きがほぼ同じ点

 私のプレイスタイルが
追想編をとにかくプレイ→アンロックに必要であれば崩壊編をプレイ
 という感じで、追想編ばかり遊んでいたのも原因はあるんだけども…。

 しかし、現状に関する回想→To be…がほぼ全員同じだったので退屈だったのは正直なところ。
 もちろんそこで語られる内容はまったく違うし、中盤からの展開の怒涛っぷりに呑まれてしまえば気にならない部分ではある。

 追想編で気になったところは2点、「位置取りが微妙」「比治山の焼きそばパンのくだり」

・位置取りが微妙
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 キャラとの会話の際に、近づきすぎた状態で話しかけると、瞬時に適正な位置に戻される

 右側から話しかけたのに左側に瞬間移動するなど、ちょっと不自然な挙動が少し気になった。

・比治山の焼きそばパンのくだり
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 比治山編の中盤で、
福助の話を聞く→福助を追いつつ金を拾う→200円以上貯まったら焼きそばパンを買いに行く
 という工程が3回くらいある。

 これを経ないと沖野と合流できないので、この流れは絶対にやらなければいけないことになっている。

 この流れが必須である、ということが私には解せない
 比治山は金もないし飢えてもいるようだけど、食事をしなければ話を進められないというほどの飢えには見えなかった。

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 たとえば「腹が減って力が出ん…焼きそばパンを食べたいが金がない…」的なセリフが入るだけでも違ったんじゃないかと思う。
 金を拾って焼きそばパンを買う工程が、3回も繰り返された理由に納得がいっていない

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 怒涛の情報開示&シリアス展開の中、比治山の焼きそばパンと三浦のハンバァグは癒やしではあるからそこまで嫌というわけでもないんだけども。
 しかし小銭拾いで行ったり来たりが必要+最後以外はジュースを買うと焼きそばパンを買えなくなって詰む(多分)など、妙にシビアなのが気になる。

 ただそれでも冗長というほどでもなかったのは、台詞回しにかなり気を使っているからだと思う。

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 モノローグなしの会話劇で、テキストウィンドウは無い。
 一度に表示されるテキストを非常に短くすることでテンポを良くしているののでとても読みやすかった。
 テキストを読み終わった段階で文字送りをしたとしても、ボイスとして耳に入る部分が多くなるので嬉しい。

 ありがたいのが、バックログの確認が快速快適なところ。

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 追想編は縦書き+明朝体っぽいフォントで雰囲気が出ていて大好き

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 逆に崩壊編は横書きでシステマチック感を醸していて、そこの細かい使い分けも好印象

 本作はとにかく話がややこしくて、究明編も含め何度も読み返して解き明かす必要があるので、バックログが一瞬で切り替わるのはありがたい。

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 一番気に入っているシーンは、柴くんが柴Q太であることが判明する一連の流れ。
 メタチップってそういうこと!?!? という解き明かしも入って、いっそう強く作品世界に惹き込まれるのが気持ちよかった。

 何も分からないまま美麗グラフィックを眺めるようにプレイしていたのに、徐々に繋がってくる快感は激烈。

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 緒方編のループで繰り返される如月との会話が何なのかが、如月編で判明するところとかも気持ちよかった。

●崩壊編

 ストラテジーのバトルパート。

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 このバトルの方式に不慣れということもあって、序盤はかなり面食らった。
 加えて、序盤は「なぜ戦っているのか」「これは『いつ』なのか」辺りが一切不明。分からないが戦う……? というのが難しかった。追想編で自分なりに理解が進んで、戦闘にも慣れたあたりからグッと楽しくなってくる

 私はこの手のバトルに経験がなかったのでカジュアルモードにしたけど、よほどのことが無ければノーマル・ちょっと自信があるならストロングにしても良いくらい。

 戦闘難度の問題ではなく、戦闘での苦戦演出が最高だからというのが大きな理由。

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 戦闘時にHPが半分程度まで減らされると、ちょっとした掛け合いが入る。

 薬師寺の時は鞍部・緒方の時は如月・関ヶ原の時は冬坂だったので、それぞれの相手から声掛けがあるのだと思う。
 そういう意味でも必見。ずっとカジュアルだったからクリア後開放の住礼区プレイ中にやっと気づいたよ……。

 機兵から降りることで機兵体力を回復することができる。
 回復後は機兵起動で戦線に戻ることができて、その時の演出が格好良い
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 START演出うれしい!!
(パッケージ裏一番右がおそらく東雲の機兵起動シーンです)

 ゲームプレイ中に、起動イラストが見られるのはこの部分だけだと思う(追想編はまた別なので)。ありがたみが強い。

 というわけで、自分がある程度は苦戦するだろう、というのを織り込んだ難易度選択をするのが激烈にお勧め。
 難易度選択はいつでもノーリスクでできるので、ボス戦だとかやりづらさが出てきたら一段下げることも容易で良い。

 バトル前のカスタム機能は結構多く把握しづらいかも。

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 メタシステムのレベルアップをどこでやるのか、とかが分かりにくい。説明見落としている可能性はあるのでそこはそれですが…。

 パイロットスキルに個人差があり、かつ追想編の余白を埋めるようなつくりになっていて大好き十三機兵防衛圏_20200517001040
関ヶ原がいると張り切る冬坂

 たとえば網口は女性メンバーが多ければ多いほど性能が上がったり、三浦→南の順での攻撃で威力が上がったりと、キャラクターの性格や関係を反映しているので、戦闘中の描かれていない掛け合いの妄想が捗る。
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 妄想の話は置いておくにしても、パーティ編成時に「如月を入れるなら緒方も入れないと」みたいな考えが自然と湧くので、特に重要な人間関係が頭に入りやすくなる
 お陰で追想編での関係の整理の役にも立つという、完全に天才の発想でスキルが練られているので好き。

 東雲は誰と組むかが性能の上下にまったく関係がないんですよね…とかそういうことに気づいて勝手に切なくなることもできる。
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 プレイヤーが感じ取る余白を大いに残してくれている、ということに制作側のプレイヤーへの信頼を感じて幸せ。

 バトルとしては、機兵の世代が1から4、最大パーティメンバーが6名なので、どの世代を多めに取るかで悩むことができるのが面白い。

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 弱い敵を範囲攻撃で潰したり、硬いアーマーを持つ敵をアーマー貫通でワンパンKOしたりする快感は格別。
 郷登のスキル「虚を突いたか」は出現してすぐの敵に使えば威力がアップするので、出現位置で待機させた郷登によって出現した瞬間消滅する敵群が痛快。

 民間人等はいないというテイでの市街戦ではあるものの、敵味方の攻撃で街は破壊されていく
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↑オレンジ色の部分が破壊されている。このまま攻撃の余波を受けると、壊滅状態になる。

 軽微な損害で済ませることも、壊滅に追い込むこともできる。
 市街戦というのは破壊と表裏一体なわけなので、戦うにつれ壊れていく街は申し訳ない気もしつつちょっと面白くもある。

 町並みも機兵の姿もごくシンプルな描かれ方なので物寂しいところはあるかも。なんとなく「そういうもの」なのかな、という気がする。

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 ここでの戦闘のクリア・ミッション報酬でミステリーファイルが、スコアとしてミステリーポイントが手に入る。

 ミステリーポイントは連戦ボーナスで増加可能
 脳負荷は戦闘に出さないことで回復していくので、全員をまんべんなく育てて、常に入れ替えていくことで連戦ボーナスを途切れさせないことも可能。カジュアルモードならそれでも十分勝てるレベルの難易度だと思います。
 ただまあスキルの習熟度等が多少はバラけてしまうので、キャラによって使いやすい・使いにくいという印象は出てくるかも。

 私個人の感想だと、東雲がアーマー貫通を覚えさせていなかったのでちょっと扱いにくくなった。
 あとは関ヶ原に対空防衛フレア以外の空中系スキルを覚えさせていなくて、敵の編成次第では難しくなってしまった。しかし彼のアーマー破壊は頼もしいことこの上ない。インファイト

 逆に緒方はキャラとして好みだったのもあって優先して育成していたから使いやすかった。

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 リープアタックで敵の元へ移動→アーマー貫通で地上敵一撃必殺orE.M.P.で飛行敵撃墜の切り込み隊長として、大変頼もしかった。

●究明編
 究明編はゲーム要素がなく、図鑑的な扱い。エンディングまで見ても100%にならない。

 イベントアーカイブとミステリーファイルに分かれていて、アーカイブは時系列順・ミステリーファイルは用語集の機能を果たしている。

 用語も時系列もとにかく膨大なので、追想編をプレイしていてワケが分からなくなったらここに行って色々眺める時に使う

 ミステリーポイントを使うのもここ。
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 どのファイルを使うときもポイントは1なので、作品の根底に関わりそうなものを優先して開けていくと良いかも。焼きそばパンとか肉まんは後回しで良いぞ〜!!

 私は連戦ボーナスをほぼ使わずに崩壊編を進めていたので、ミステリーポイントはエンディング後も稼ぎが必要な程度には不足した。
 連戦を切らさなければ稼ぎはほぼ不要くらいかもしれない。

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 ミステリーファイルは随時更新されるので、何かが発覚した後に見ると面白さが増していく。
 エンディング後には丁寧に「真相」として本作の要旨まで出てくるので、それを見ればだいたいのことが分かるという親切設計

「真相」については考えの放棄と取る批判もありそうだけど、エンディング後に追加だから良いんじゃないでしょうかね。公式に一言でまとめてもらえるというのはありがたいことですし。

●気になった点

 言い訳をすると、シナリオの内容にほとんど文句はないです。
 よく練られた時系列、歯切れの良い会話劇のどれもが大好き。
 その上で、重箱の隅をつつくなら、気になることが主に2点。

1.女性蔑視的な言動がある

 特に如月に対して、緒方が容姿をけなすことを言うのは嫌だった。
 チンクシャとか、エンディングでの「ぺったんこ」発言とか。

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 セクター4(1980年代)としてはありふれているとしても抵抗がある
 もちろん1980年代の人間と思い込んでいた緒方にとっては自然なこと。私としては、描写をなくすのではなく、その後にフォローを入れて欲しかったという気持ちが強い。

 例えば如月が「この時代って本当にセクハラが常態化されていたんだ」とカルチャーショックを受けるシーンがあるとか、エンディングで胸の話をした後で「ここは1985年じゃないんだから~」みたいな叱られや自省が発生していれば、また違った気持ちになったかもしれない。

 比治山が森村先生を見た時の「男子生徒は集中できないのでは…」も同じ理由でですね。ただ、これはこの一言で終わっている点・比治山が欲望優先っぽいところがある点から、嫌だけどしょうがないよね、という気持ちになる。

2.沖野と比治山の関係について

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 エンディングにおける2人が、本作から最後に提示されるテーマと噛み合っていないと私は感じました。

 本作のラストでは各メンバー間でカップルが成立、全員ではないとはいえ子供も出来ている。

 新たな惑星には生き残りである13人しかおらず、繁殖する必要があるので、作品テーマとしても作中の目的としても必須のことと言える。

 ただ、そう考えた場合、比治山と沖野のカップルだけは作品テーマと合わない
 文明を広げ、子供を作るということの大切さを描いたエンディングにするなら、比治山と沖野も「子供を作ることができるカップル」であるべきだったと思う。

 クローン技術が相当発展しているっぽいので、なんかそのへんの技術(雑な認識)で比治山と沖野の子供を作ることは可能かもしれない。
 ただ、それなら「2188年は同性婚も珍しくないから、同性間でも生殖ができるようになっている」みたいな説明を入れてほしかった。

 まあエンディング、沖野が女性になっているとも取れるけど…。
 しかし沖野はMtFとかでもなさそうなのに女性になっているのだとしたら、それはそれで最悪なのでやめてほしい。

 同性の恋愛が描かれたからイヤ、という文句ではないんですよ。
 テーマを考えたら同性の恋愛は省いてしまった方が収まりが良かったよねという話なんですよ。

 2020年の私の感覚からすると「異性愛賛美・子作り賛美」というのもちょっと古い。
 とはいえ本作においては、多少の古さがあったとしても異性愛賛美・子作り賛美を徹底した方がテーマとしては芯が通ったんじゃないかな…という気持ちがある。

●まとめ

 敷島重工がわるい会社で森村先生もわるい人…? という序盤の認識がどんどん塗り替えられて、想像もつかない場所にまで行き着く凄まじさ

 時間経過のスケールは気の遠くなるような話で、クローンとかナノマシンとかのSF要素もたっぷり
 かと思えば怪獣VS巨大搭乗型ロボットというサブカルの旨味と青春恋愛モノの波状攻撃を食らわせてきてとにかく忙しい。

 一通りのクリアはしたけど、すべてを理解しきったとは言い切れないのが本作の恐ろしいところ

 今までにプレイしたゲームの中でひとつだけ、記憶を失ってもう一回遊べるとなったら本作を選びたい。それはそれとしてクリアした今ももう一度プレイして、何がどうなっているか理解したまま遊びたい。

 ロボット萌えがゼロでもこれだけ楽しめる熱量を持った、凄まじい名作

 またイチから遊び直してみたいですね。