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【ヒープリ】3:怒涛のシリアス展開はプリキュア的に異色?個人的には高評価

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room-shiki.hatenablog.com※デリシャスパーティー♡プリキュアのネタバレあり

人間と病原菌、運命の出会い

ヒーリンぐっど♡プリキュアの24~30話内で一番大きい出来事は、ダルイゼンの宿主がのどかであることが判明した点。

もともとヒープリの評判の中でもダルイゼンの名前を聞くことは多く、オープニング映像でも「この出会いは運命」の歌詞に合わせて意味深にすれちがうダルイゼン&のどかのカットもあったので、この二人が何かあるんだろうな~とは思っていた。宿主ね……。

回想シーンなどを合わせて考えると、のどかの謎病気は完全にダルイゼンがいたせいですね。
28話で、のどかの父母の描写もあった通り、親御さんの気持ちになるとかなりしんどい。親御さんにプリキュアのことは明かさないっぽいので、親御さんは今後もずっと、のどかの謎病気(しかも一度再発してる!)をうっすら気にしながら生きていくわけで……辛い!!

シンドイーネ可哀相だよ

そして辛いのはシンドイーネまわりの描写も。

これは前々から思っていたことだけど、シンドイーネは全体的に扱いが不遇だと思う。
特に30話ではメガパーツの扱いでダルイゼンが褒められるのにシンドイーネが褒められない。他の面でもシンドイーネが特別優れている、とされたシーンの記憶がないので、なんでシンドイーネばかり…という釈然としない気持ちが多少ある。

ただ、物語上はシンドイーネが不遇なんだけど、メタに立つとシンドイーネが優遇されているとも言える。

30話までのシンドイーネとグアイワルの描写を比較した時、グアイワルはキャラクター性がだいぶ薄い。
鍛えるのが好き・シンドイーネとやや不仲・辛い物は苦手・年下に偉ぶるタイプなどの性格は見えているものの、「キングビョーゲン様のため」の行動原理があるシンドイーネに対し、グアイワルは行動原理が一切見えないのでキャラが薄い印象。

のどかと接触するまでのダルイゼンも行動原理がほぼ見えず微妙ではあった。
組織としての大目標は「キングビョーゲンの復活」だとして、それに従う動機が見えないのがイマイチ。

これはデパプリのブンドル団と比較すると分かりやすい。

ブンドル団は料理の独占を目論むゴーダッツのために配下がいるけど、彼らがレシピボンを盗む動機はそれぞれ以下の通り。

  • ジェントルー:洗脳されているので、レシピボンを盗むために盗んでいる(固有のモチベーションを持っていない)
  • ナルシストルー:料理そのものへのヘイトがあり、料理を楽しむ人々への復讐心のようなものがある
  • スピリットルー:ロボなのでそういう風に作られている
  • セクレトルー:ゴーダッツへの心酔がある

こういう風に集団としての目的とは別に、個人としての目的が設定されていると、なぜその集団に所属しているのかが理解しやすい。

ヒープリに話を戻すと、シンドイーネはセクレトルーと動機が近い。組織のボスへの想いがあるから従っている形。
で、ダルイゼンとグアイワルがどうして活動をしているかがいまいち見えず、悪い意味で彼らへの感情が湧かない。好きでもないけど敵として嫌う理由もなく、かなり半端な感じ。

一応ダルイゼンはのどかに固執しだしていて、何らかの意志が見えてきた気がして良い。ただ意志が見えるまでに30話かかってるのはどうよ、というのも率直な意見。

ダルイゼンとシンドイーネの会話的に、ダルイゼン・のどかのケースは珍しく、シンドイーネやグアイワルの宿主は出てこない気がする。

30話でシンドイーネが自身にメガパーツを使用して、人間のメガビョーゲン化に成功している。

ということは今後は、メガビョーゲン化した人間と戦うことになるんだろうか。31話で遂に4人の合体技が発生するようなので、どんな風に戦うかも楽しみ。

波乱の展開、プリキュアにありがちな退屈さがない!

これがとにかく嬉しい。

本作はシリアス色がかなり強く、典型的なギャグ回はほとんどない。

コロナ禍による制作体制の混乱、世相とタイミングが合いすぎた病気モチーフなど、外的要因による理由もあるのかなとは思いつつ、シリアス「すぎる」本作の雰囲気は非常に好み。

前々から言及している通り、ビョーゲンズ発生のシーン描写はやけに長いし、27話ラストでダルイゼンがのどかにメガパーツを埋め込むシーンや、30話でシンドイーネが自らにメガパーツを使うシーンなど、ショッキングに感じる絵面も多い。

子どもの頃の自分は怯えたかもしれないとは思いつつ、大人の視線だとシリアスさが強くて続きが気になる感じ。

割とプリキュアは放送開始から半年くらい経った、7~8月あたりのタイミングで足踏みが繰り返されることが多い。

話が露骨に停滞したり劇場版への布石張りに終始したりと退屈になる印象が強いので、そうしたダレがなく、ある種の緊張感に満ちているヒープリはかなり楽しい。

ていうか全45で30話まで観終わったってことはあとちょっとで終わり!? 寂しい気もするし、短めだからこそ独自の魅力がある気もするので複雑な気分。続きも楽しみです。