- 仮面ライダーガッチャード12~25話:冥黒の三姉妹がとにかく美味しい
- ブレない宝太郎がいるからガッチャード
- 「ガッチャードが面白くなった」んじゃなくて「私が面白いと思うようになった」
- 大人じゃないと読み取れないグロ描写をやめなさい(やってください)
- アイアンガッチャードが格好良い!!
- ベタなのに予想を裏切る意外性を持っている
- その他:加治木に会いてぇ~~
仮面ライダーガッチャード12~25話:冥黒の三姉妹がとにかく美味しい
色々あったからどこから話せばいいか分かんなくなっちゃうな。
個人的に一番大きかったのは、ミナト先生の裏切りによって冥黒の三姉妹&グリオン陣営との敵対構図が強くなったこと。
それに伴って、三姉妹それぞれの思惑が現れだしているのが面白い。
特に旨味が出ているのがラケシスで、グリオンへの強い反発やミナトとの内通、それによるアトロポス・クロトーと敵対するなど、ラケシスが置かれる状況が目まぐるしく変わっているので見ていて飽きない。
クロトーも単なる狂戦士に収まらず、ラケシスを想いながらもグリオン・アトロポスに従う複雑な精神性が出てきているのがかなり好き。
ブレない宝太郎がいるからガッチャード
現状、陣営としては宝太郎VSグリオンの二対立が主。
グリオン陣営が謀反のラケシス・考えが読み切れないミナトなどの不安要素を抱えているのに対し、宝太郎陣営は目的が合致している。
宝太郎陣営が内部分裂していない・する気配もないので、観ていてスムーズだと感じる点が好き。
よくある「仲間内で争ってる場合じゃないだろ!」みたいな台詞がないんですよね。序盤のスパナとの対立・ミナト先生の裏切りなどはあったものの、完全に相反する敵という感じもしないし。
総じて、宝太郎がブレていないのが魅力なんだと思う。
ケミーと仲良くなる目的もそうだし、着眼点が独特で朗らかな人格も変わらない。24話の総集編回でも「針馬さんの腕、痛そうだった」の感想が出るなど、とっさに出る言葉にズレを感じるたび、宝太郎の人格のキュートさを好ましく思う。
「ガッチャードが面白くなった」んじゃなくて「私が面白いと思うようになった」
本作が始まってすぐの頃は「正しく子ども向け番組をやっている、個人的にはハマらない」くらいの評価だったけど、今はめっちゃくちゃ楽しみにしている。
ただ、話が面白く「なった」感じはそんなにしない。面白さの方向性や度合いは1話から大して変わっていなくて、面白さを受け取る私が変えられた気がする。
宝太郎は良い意味でずっと変わらないし、他のメンツも大きい変化はない。
排他的だったりんねが宝太郎との信頼関係を築いたり、スパナが柔らかい態度になったり、ミナト先生が裏切ったりと色々あったけど、作品を通底する雰囲気は全然変わらない。
5話(レスラーG登場回)、7~8話(サボニードル回)は本作の雰囲気を象徴していると思っている。
ケミートレカを集めることが作品の目的で、宝太郎の目的はケミーと仲良くなること。その過程で出会ったサブキャラたちとも親交を深め、彼らの持つ悩みなどの解消もする…という、割合ベタな雰囲気が本作は強い。
話が進むにつれシリアスな場面も増えてきたとはいえ、22~23話(ズキュンパイア回)などもあり、作品を通底する雰囲気は大体同じ。
観ているうちに宝太郎の明るさ・優しさ・チャーミングさが私の中に染み入って、宝太郎たちを好きになったから話の面白さが強く感じられるようになってきた、というのが正確な気がする。
単純接触効果による部分も大きいとは思うんだけど、作品を変えず視聴者の心情を変えることで「面白くなった」本作はかなり特異な印象がある。
大人じゃないと読み取れないグロ描写をやめなさい(やってください)
私はハードな展開に伴うグロ描写が好きで、ガッチャードは基本的に明るく爽やかなストーリーなのでグロやダークはほとんどない……と思いつつ、実は結構ある。
スパナの過去は大人になるほど身につまされるものだし、デイブレイクの辿った道筋のことを思えば描写されないだけで残酷なことがあったのは分かる。
個人的にかなり好きなのは、11話で針馬さんがミナト先生の手のひらを柱にピン止めするように刺し、ミナト先生が力づくで苦しみながらその針を抜くシーン。
私はLOVELESSを読んで以来、肉体をピン止めするために手のひらに何かが貫通させられるのが好きなんですよ。
あとは25話のミナト先生の回想で、後輩がルービックキューブで殺されたシーン、映像上はルービックキューブの動きに合わせて体を叩きつけられて死んでいたけど、これはマイルドにした形なんだろうなぁ…と思っている。
実際のところはルービックキューブの中で、キューブが動くたびに全身を切断されたんだろうと思っています。死に際のシーンは手だけ・頭だけのカットばかりだったし、そういうことでしょうと思っておく。
これの良いのが、グロテスクな描写を知っている大人はこうやって残酷さを頭で補完できるし、グロテスクな描写に詳しくない方も「ひどいことをしている」くらいの認識は取れるところ。
「後輩がひどい殺され方をした」ことは視聴者全員の認識になり、ひどさの具体例が個々人の経験によって変わるのは上手いですね。
アイアンガッチャードが格好良い!!
基本的に私はバトルを楽しむ感受性が乏しく、仮面ライダー・スーパー戦隊の視聴を始めた2019年はバトルシーンや変身後のフォーム・スーツには本当に興味がなかった。
とはいえ今年で視聴歴も5年(5年!?)になり、ぼちぼち頭の中に情報が蓄積されたおかげで、少しは興味が湧いてきた。
ガッチャードがプロレスっぽい戦い方を見せるたび、レスラーGの経験が生きてる!と嬉しくなる。
フォームで言うと、ユーフォーエックスを使用する、スーパーガッチャード クロスユーフォーエックスは登場時点ではチート級に強く、レベルナンバー10の規格外の強さが感じられる。
それでいてフォームの見た目がユニークで、ぱっと見でのコミカルさと実際の強さのギャップが楽しくて好き。
今のところのベストフォームは24話で登場したアイアンガッチャード。
顔まわりが格好良い……序盤から一緒にいたテンライナーとの変身フォームなのもアツい。
西洋鎧っぽい雰囲気を纏う駅舎モチーフの顔面、両腕は電車をくっつけたシンプルで分かりやすいデザインだけど、バンクの豪華さもあって勇ましい。
ガッチャードはマルガムのデザインも格好良いし、フォームの好みが合いやすいみたいで嬉しい。
ベタなのに予想を裏切る意外性を持っている
本作はベタな部分も多いけど、予想を裏切る展開も多いところが面白い。
分かりやすいところだと16話。
劇場版でりんねが変身し、りんね・スパナのライダーフォームが公開された後ということもあり、りんね・スパナの変身やその布石となる展開が予想されるタイミングで、登場したのは前情報ゼロのデイブレイク。
そこからりんね・スパナの初変身はしばらくお預けして、いざお出しされた初変身は王道にアツい。この緩急の付け方がすごい!!
直近だと24話は総集編をやりつつ急展開と新フォームのお披露目もあり、期待通りなのに予想は裏切るバランス感覚が素晴らしい。
これは「期待通りなのに」というのが加点ポイントで、観たいものは見せた上での予想外なので、美味しさが増えたようなお得感がかなりある。
予想外はあっても期待通りでもあり、信頼できる作品だと強く感じる。
その他:加治木に会いてぇ~~
- デイブレイクの声優にDAIGOを当てたのはかなりの慧眼だと思う。
宝太郎(演:本島純政)の舌ったらずさもある高めの声をそのままに、大人っぽさも加える…となると確かにDAIGOがピッタリくる。よくDAIGOと本島さんの声が似てるって気付いたな。 - ミナト先生が裏切って以降、加治木の出番が少なくない!?いやズキュンパイアの時にいたけどさあ!!
どうしても錬金アカデミー・連合周りの描写が増えると学校描写は減るし、ミナト先生は今学校にいないのでこうなるのも理解はできるんだけど……加治木に会いたいよ。 - でも加治木に会いたいというか、平和のモチーフ(加治木)が現れるような穏やかな時間を宝太郎に過ごしてほしいだけかもしれない。